【イギリス】ビジネスや現地生活で役立つ実用的な英語集
この記事では在英約20年の筆者が、イギリスで実際に使われていて、知っていたら便利だと思う実用的な英語情報を紹介しています。
ビジネスでイギリス人とコミュニケーションをとる機会がある方、またはイギリスでの生活を始める予定の方、そしてイギリスでの生活を始めたばかりの方にとって、特に役立つ情報かもしれません。
英語のレベルを問わない内容となっているので、英語学習を始めたばかりの方もぜひ参考にしてみてください。
1. 正確なスペルの伝え方
あなたはイギリスで体調が悪くなり、診察予約のため病院に電話をかけました。
名前を聞かれて伝えたものの、相手は名前のスペル確認のため「How do you spell your name?」と聞いてきました。
さて、あなたなら自分の名前のスペルをどう伝えますか?
日本でも名前の読みや漢字を聞くことがあるように、イギリスでも名前のスペルを確認することが日常的によくあります。
「電話」という音声のみの英語でのコミュニケーション(相手が言っていることを理解し、自分が言いたいことを伝える)は特に難易度が高く、自分の発音を理解してもらえなかったり、相手の言っていることが聞き取りづらかったりします。
そんな時、知っているとすぐに使え、コミュニケーションの助けになるのが次のツールです。
NATO フォネティック・アルファベット
「NATO フォネティック・アルファベット」とは、もともと北大西洋条約機構によって定められた「通話表」のことで、無線通話などにおいて正確なアルファベットを伝達するために作られたものです。
イギリスでは、ネイティブスピーカーであっても、相手に正しいスペルを伝えたり、理解するために使われることがあります。
NATOフォネティック・アルファベットの使い方
肝心のNATO Phonetic Alphabetを使ってのスペルの伝え方ですが、例えば、当サイト名「TANKS」あれば「T for Tango, A for Alpha, N for November, K for Kilo, S for Sierra」のように伝えると相手は正確なスペルを理解することができ、逆に、相手にスペルを確認したい時にも使えます。
たまに「Tango, Alpha, November, Kilo, Sierra」などと「~ for」の部分なしに使う人もいますが、そもそも、この伝え方の存在自体を知らないと「突然なにを言い始めたんだ?」となるので、ある程度覚えておくと混乱せずに済みます。
長期間イギリスで生活をする際には、GP登録やNIナンバー取得、銀行口座開設など、様々な場面で名前を伝える機会があるので、自分のフルネームのスペルだけでもこの方法で伝えられるようにしておくときっと役立つはずです。
2. よく使われている略語リスト
VIP – Very Important Person
DIY – Do It Yourself
上に挙げた2例のように、日本でもお馴染みの「略語 – Abbreviations」。
イギリスではこの他にも多くの略語が常用されています。
以下、メールやSMS、書類で使用されるものから口語で使うものまで、知っておくと役立ちそうな略語を紹介しています。
DOB
Date of Birth
生年月日。申込み書類やネットでの登録時などに見かけます。
ASAP
As Soon As Possible
メールなどで「すぐに返信ください」という時に使います。
BTW
By the way
「ところで、」の様に、別の話題を切る出すときに使われる「By the way」。
この略語は主にSMSやメールで使用されます。友達などとのカジュアルな状況で使う印象です。
TLC
Tender Loving Care
口語や文書でカジュアルに使用される略語で、例えば ” Your garden needs some TLC. “などと使ったりします。(ティーエルスィーと読む)
日本語に訳すと「愛情のこもったお世話」と言った感じでしょうか。
T&Cs
Terms and Conditions
契約書類やウェブサイトなどの「利用規約や条件」の意としてよく登場します。「T&C」と表記されることも。
RSVP
Répondez s‘il vous plaît(フランス語)
「返信ください」という意味で、イベントへの招待状やパーティへのお誘いメールなどでよく見かけます。RSVPの記述がある際は必ず、参加・不参加の意を返信するようにしましょう。
AKA
As Known As
「ハリーポッター役で知られるダニエル・ラドクリフ」→「Daniel Radcliffe AKA Harry Potter」のように「~で知られる」の部分で使われます。
BA, MA, BSc, MSc, PhDなど
Bachelor of Arts 学術系学士
Master of Arts 学術系修士
Bachelor of Science 理学系学士
Master of Science 理学系修士
Doctor of Philosophy 哲学系博士
学位を示す略語で、このほかにも色々あります。
FAQ
Frequently Asked Questions
日本だとQ&A(Questions and Answers)ですが、イギリスではFAQが一般的。ウェブサイトなどでよく目にします。
PTO
Please Turn Over
書類の一番下にPTOと書かれている時は、「書類の裏にも記述があるので紙を裏返して読んでくださいね」という意味となります。
TBA, TBC
To be announced
To be confirmed
例えば、イベントが企画された時にウェブサイトにて告知する際、会場や出演者がまだ決まっていない状態の時などに「後日発表します」という意味で使われます。
FYI
For Your Information
メールで関連の追加情報を送る際などによく社内メールなどで使われます。
知り合いとのSMSやメールのやり取りで、言い分を伝える時などに使われたりもします。
ポール:「昨日どうしてケイト誘わなかったんだよ!?」
ジョン:「いやー、なんとなく誘いづらくて…。FYI、俺、この前ケイトにふられたんだよ。」
3. 記号や符号の言い方リスト
「@アットマーク」や「#シャープ」などの記号、英語で言えますか?
イギリスで生活していると、メールアドレスを聞かれたり、電話の自動応答ガイダンスで「番号を押した後*を押してください」なんて言われることがあります。
ちなみに「@」は日本では「アットマーク」と言いますが、イギリスでは「アット」と言います。
例えば、[email protected]であれば「タンクスロンドン、アット、ジーメール、ドットコム」といった具合です。
以下、記号や符号の英語での言い方をリストにしました。
日本と同じ言い方で通じる記号もありますが、ぜひ参考にしてみてください。
4. アメリカ英語とイギリス英語の違い
日本で習う「英語」は基本アメリカ英語が多いと思いますが、実際に日本で学んだ英語が「アメリカでしか使われていない英語」だと認識している方はどのくらいいるでしょうか?
ここからは、私がこれまでイギリスで生活して知った、日本で学んだ英語(アメリカ英語)とイギリス英語の違いについて、「語彙の違い」「スペルの違い」「発音の違い」に分けて紹介しています。
でもその前に、イギリス人の「英語」に対する考え方ついて伝えさせてください。
これはあくまでも私見ですが、イギリス人は「英語」が自国発祥だからなのか「British English」に対する意識がとても高く、特に年配層の中にはアメリカ英語に対してネガティブな意識を持っている人が少なくない印象を受けます。
また、階級社会のイギリスではアクセントや使う単語の種類などによって相手を見定める傾向があると感じていて、会話だけでなくメールでのやり取りにおいても、発音や使う単語によって相手の反応は大きく変わると思います。
そのような理由から、これからイギリスで長期生活する方やイギリス人を相手にビジネスをする方は、アメリカ英語との違いなどを理解したうえで、イギリス英語を意識して使用すると相手に与える印象は良くなるのではないかと思います。
それでは、以下、アメリカ英語とイギリス英語の違いを見ていきましょう。
語彙の違い
北海道では「絆創膏」の事を「サビオ」と言いますが、アメリカとイギリスではそれと同じくらいのレベルで語彙の異なるものが沢山あります。
アメリカの語彙を使ってもイギリスでは通じなかったり、他の意味になってしまうものもあるので注意が必要です。
スペルの違い
スペルが異なる単語もたくさんあります。
私は渡英して間もない頃、「Program」がアメリカの綴りなのを知らずにメールで使用した時、イギリス人の年配の方に「スペル間違ってるよ」と指摘されたことがありました。
ちなみにイギリスでは「Programme」と綴ります。
いや、間違いではないでしょ?と突っ込みたくなりましたが…、以来メールやCVを送る時には、イギリスの綴りで書くように気を付けています。
以下、スペルが異なる単語をチェック!
発音の違い(YouTubeで聴き分け)
アメリカ英語とイギリス英語の発音の違いは明らかにあるのですが、実際には、同じ国の中でも地域によって様々なアクセントがあります。(イギリスでは階級によっても異なる)
発音の違いは実際に聴き分けてみるのが一番わかりやすいと思うので、以下、参考になりそうなYouTube動画を4つセレクトしてみました。
- アメリカNBCニュースのアクセント
- イギリスBBCニュースのアクセント
- エリザベス女王のポッシュなアクセント
- イギリス各地のアクセント
アメリカ英語(NBCニュース)
イギリス英語(BBCニュース)
イギリスはロンドン市内だけでも「RP」「コックニー」「MLP」とよばれる異なるアクセントが存在します。
「RP – Received Pronunciation」と呼ばれるアクセントは、BBCニュースなどで使われている発音のことです。日本人にとっても比較的聞き取りやすく、マネしやすく、誰にでも理解してもらえるアクセントだと思います。イギリスのアクセントを話せるようになりたい方はBBCのニュースを参考にしてみては?
イギリス英語(クイーン)
現在、イギリスでエリザベス女王やチャールズ国王のような「ポッシュ」なアクセントで話すのは年配の上流階級層の方ぐらいだと思いますが、参考までにエリザベス女王のクリスマスのスピーチ動画をどうぞ。
イギリス英語(イギリス各地編)
最後に、イギリス国内の17種類のアクセントを紹介している動画をどうぞ。
最後に
いかがでしたでしょうか? この記事で紹介したものはどれも、私が渡英前に知っておきたかったことばかりです。
英語はあくまでもコミュニケーションの「ツール」であり、歴史や文化の異なるイギリス人と円滑な関係を築くのは一筋縄ではいきませんが、この記事が少しでもあなたの英語学習に役立ったのであれば幸いです。
私の英語力もまだまだです。お互いにがんばりましょう!