イギリスeSIMガイド:現状と今おすすめのeSIMまとめ

この記事では、イギリスに長期間滞在している筆者が、イギリスで利用できるeSIMとその現状を調査し、渡航前に日本で準備できるおすすめのeSIMを紹介しています。
おすすめのeSIMを手っ取り早く知りたい方は、目次のリンクからご覧ください。
1. eSIMとは?特徴や利点

「eSIM」という言葉を最近よく耳にしますね。
しかし、eSIMは従来のSIMカードとは何が異なるのでしょうか?
イギリスで利用できるeSIMをチェックする前に、まずはeSIMの特徴を確認しておきましょう。
eSIMはデジタルSIM
eSIM(イーシム)とは、 Embedded Subscriber Identity Moduleの略称で、端末内に埋め込まれたデジタルSIMカードです。
そのため、従来の物理的なSIMカードを端末に差し込む必要がなく、端末の操作だけでネットワークへの接続が可能です。
eSIMの利点
eSIMの利点は以下の4つです。
- SIMの入手や差し替えが不要
- 端末操作だけで手続き終了で現地で即利用可
- 一つの端末で複数のネットワークを利用することができる
- SIMカードを紛失したり破損する心配がない
海外渡航時にeSIMを利用できると、従来のようにSIMカードが届くのを待ったり、航空機内で小さなSIMカードを入れ替える作業が不要となり便利です。
利用にはSIMロックが解除されたeSIM対応端末が必要
そんな便利なeSIMですが、利用するには「SIMロックが解除されたeSIM対応の端末」が必要です。
SIMロックが解除された端末は、一般的にSIMフリーと呼ばれます。
2024年6月時点、eSIM対応の端末は限られているので、所持している端末がeSIMに対応しているかどうかは、メーカーのウェブサイトなどで事前に確認しておくことをおすすめします。
*Appleであれば、iPhone XR以降の機種はほぼeSIMに対応しています。
端末がeSIM対応ではなければ、日本でも入手できるイギリスのgiffgaffのSIMカード(従来型SIMカード)の利用がおすすめです。
eSIM対応の通信事業者は限られる
まだ普及段階にあるeSIMは、eSIM対応機種だけでなく、eSIMのサービスを提供する通信事業者(キャリア/ネットワーク)も限られています。
また、通信事業者によってeSIMの利用方法やサポートも異なるため、利用する際には事前によく確認することをおすすめします。
2. イギリスで使えるeSIM各種とその現状

この項目では、イギリスで使えるさまざまなeSIMの特徴や現状について紹介しています。
これから渡英予定の方だけでなく、英国に住んでいる方もぜひ参考にしてみてください。
なお、競争が激しい通信業界の料金は頻繁に変わるため、この記事では料金の比較紹介はしていません。最新の料金については各ネットワークのリンクよりご確認ください。
以下、2024年6月時点でのイギリスで利用可能なeSIMに関する情報を、わかりやすく次のカテゴリー別に紹介します。
旅行者向けのデータ専用eSIMサービス
はじめに紹介するのは、海外旅行などで短期滞在する時に使えそうなeSIMを販売するオンラインショップです。
スマホ一つでeSIMの全手続きが完了し、手軽に利用できるのが魅力ですが、どのショップのeSIMも通話やSMSが使用できない「データ専用のeSIM」という点に留意しましょう。
海外在住者が日本に一時帰国する際に使うのも便利だと思います。
Ubigi
おすすめ度 – ★★★★☆
Ubigi(ユービージー)は、日本のNTTグループ傘下のTransatel社のeSIM専用ブランドです。
Ubigiの特徴は…
- イギリスではEEの回線使用
- 使い切りプランや月々自動更新の月額年額プランがある
- お得な料金設定(公式Ubigiサイト)
- テザリング対応
- アプリも日本語対応で使いやすい
- 一度eSIMを設定すれば何度でも使える
Ubigiの詳細は日本語の公式Ubigiサイト(日本語)へ。
初回利用時「WELCOME10」のコード入力で10%オフ
Airalo
おすすめ度 – ★★★☆☆
Airalo(アラロ)は、2019年設立のシンガポール企業が運営する旅行者向けeSIMのオンラインショップです。
Airaloの特徴は…
【*お得情報*】
- 新規利用者は、この公式サイト割引リンクよりアクセスし「NEWTOAIRALO15」のコード入力で15%オフ
- リピーターは、この公式サイト割引リンクよりアクセスし「AIRALOESIM10」のコード入力で10%オフ
Holafly
おすすめ度 – ★★☆☆☆
Holafly(オラフライ)とは、2018年に設立されたスペイン発の旅行者向けeSIMオンラインショップのこと。
Holaflyの特徴は…
- イギリスではVodafoneの回線使用
- データ通信の使用が無制限
- 使用日数が選べる料金設定
- アプリはない
- テザリングはできない
Holaflyの詳細は、公式Holaflyページ(日本語)へ。
イギリス大手通信ネットワークのeSIM
(2024年6月時点の情報)
英国の大手通信事業者は、EE、O2、Three、Vodafoneの4社です。
全社の「長期プラン」はeSIMに対応しており、データ通信だけでなく通話やSMSも利用可能です。
ただし、新規で長期プランを契約するには通常、「Credit check」(信用情報の審査)が必須となります。このクレジットチェックは、ある程度の英国在住履歴が必要となるため、「渡英して間もない方は利用できない可能性が高い」と言えます。
2024年6月時点、ThreeとVodafoneは、契約不要のPay As You GoプランもeSIMに対応しています。
ただし、ThreeのeSIMを使いたい場合はカスタマーセンターに電話するか、店舗を訪れる必要があるため英国外で入手するには不向きです。
eSIM対応のVodafoneのPay As You Go Plusプランは、オンラインで購入でき、契約不要であるものの、30日の自動更新設定をONにする必要があり、設定変更には専用のアプリが必要とのことです。
【英国大手ネットワークのeSIM対応状況まとめ】
(2024年6月時点)
各社の料金プランや手続きなどの最新情報は各公式サイトでご確認ください。
英国MVNOsのeSIMについて
ここからは、イギリスの主要通信ネットワークの回線を利用し、イギリス国内で展開されているMVNO(Mobile Virtual Network Operator)のeSIMサービスについて紹介します。
英国の格安MVNOのサービスは、データ通信だけでなく通話やSMS(英国の電話番号が取得できる)が利用できますが、大手ネットワークのようなクレジットチェックはなく、誰でも利用できるのが特徴です。
2024年6月時点でeSIMサービスを提供している英国のMVNOは、「Lyca Mobile」「giffgaff」「Tesco Mobile」「iD Mobile」の4社です。
(注意:リストに含まれていない未調査のMVNOもあります)
【英国のMVNO:eSIM対応状況】
(2024年6月時点)
MVNO名(回線) | eSIM対応 | クレジットチェック | 備考 |
Lyca Mobile (EE) | ◯ | ☓ | カスタマーサービスに問題あり? |
giffgaff (O2) | ◯ | ☓ | – 機種によりeSIMの接続不具合 |
Lebara UK (O2) | ☓ | ☓ | |
Tesco Mobile (O2) | ◯ | ☓ | eSIMは既存ユーザー向け? |
BT Mobile (EE) | ☓ | ☓ | |
iD Mobile (Three) | ◯ | ☓ | 3年以上の英国在住歴が必要 |
SMARTY (Three) | ☓ | ☓ | |
VOXI (Vodafone) | ☓ | ☓ |
Lyca Mobile
Lyca Mobileは目を引くお得なキャンペーンや料金が魅力的ですが、カスタマーサービスに対しての利用者の口コミがいまいちです。
giffgaff
giffgaffは利用者の評判が良いおすすめのネットワークですが、端末機種によりeSIMの接続に問題があるようなので、利用の際は物理的なSIMを入手(日本へ無料郵送)するほうが無難かもしれません。
Tesco Mobile
Tesco Mobileは、新規利用者のeSIM入手についての公式情報が曖昧なので確かではないのですが、物理SIMを入手後にeSIMへの移行手続きをする流れだと思われます。(オンラインでの新規eSIM購入オプションはありません)
iD Mobile
iD mobileは、eSIM購入時に過去3年間の英国内の住所が必要となるため、旅行者やこれから英国生活を始める方には不向きです。
3. まとめ:日本で準備できる今おすすめのeSIM

最後に、前述のeSIMの特徴や現状を踏まえて、イギリスへ渡航する前に日本で準備できるおすすめのeSIMを、「旅行者向けのeSIM」と「留学・長期滞在向けのeSIM」という2つのカテゴリに分けてまとめます。
旅行者向けのeSIM
イギリスでの短期旅行を予定している場合、おすすめのeSIMは以下の2つです。
- Ubigi(新規利用者は「WELCOME10」のコード入力で10%オフ)
- Airalo(新規利用者はこの公式サイト割引リンクよりアクセスし「NEWTOAIRALO15」のコード入力で15%オフ、リピーターはこの公式サイト割引リンクよりアクセスし「AIRALOESIM10」のコード入力で10%オフ)
ただし、留意すべき点は、AiraloやUbigiは「データ専用eSIM」であるということです。
通話やSMS(英国の電話番号)が必要な場合は、従来型のSIMカードとなりますが、日本で入手できるgiffgaffのSIMカードの利用がおすすめです。
留学・長期滞在向けのeSIM
留学などで長期滞在を予定している方には、渡英後の手続きや利便性を考慮して、データ専用のeSIMではなく、英国の電話番号がもてるeSIM(通話やSMSが利用可)の利用がおすすめです。
英国の電話番号がもてるのは「英国の大手ネットワーク」や「英国の格安MVNO」ですが、残念ながら現時点では、自信を持っておすすめできるeSIMがありません。(詳しくは前項を参照)
代わりに、従来型のSIMカードとなりますが、giffgaffのSIMカードは日本でも入手が可能で、渡航前に英国の電話番号を取得することができます。
ただし、到着までに時間がかかるため、早めに注文することをおすすめします。
最後に
いかがでしたでしょうか?
おすすめしたeSIMや記事の内容は、今後のeSIMの進展に合わせて定期的に更新していく予定です。
eSIMはまだ誰もが気軽に利用できるわけではありませんが、将来的には主流の接続手段となることを期待しています。
この記事が渡英準備のお役に立ち、英国での滞在がスムーズに始められますように。