ロンドンTfLのレンタル自転車利用ガイド【料金・借り方】
ロンドンでは、環境に優しく、運動不足解消にも効果的な自転車が年々人気を増しています。
この記事では、市内に数ある自転車のレンタルサービスの中でも、ロンドンの公共交通網を担うTfLが運営する「Santander Cycle」について紹介しています。
あなたもロンドンの街を自転車で走り抜けてみてはいかがでしょうか?
1. TfLのSantander Cycleとは?
地下鉄やバスなどのロンドン市内の交通システムを一手に担うTfL(Transport for London)が運営する『Santander Cycle』は、2010年に導入された自転車シェアリングサービスです。
スポンサーが金融機関のSantanderであることから『Santander Cycle』が正式名称ではありますが、2010年の導入時にロンドン市長がボリス・ジョンソンであったことから「ボリスバイク」と呼ばれることもあります。
Santander Cycleは、市内の約800か所に専用の無人自転車置き場(ドッキング・ステーション)があり、利用者は自転車置き場に設置された機械や、専用アプリなどを使い、誰でも簡単に自転車が借りられます。そんな手軽さからか、地元の人だけでなく、多くの観光客にも利用される人気の交通手段となっています。
利用時の注意とおすすめの走行場所
都会のわりに自然が豊かなロンドン市内でのサイクリングはとても気持ちが良く、移動手段にとどまらない魅力がありますが、自転車は自動車と同じ交通ルールに従わなければならなく、車道を走行することが原則のため、自転車に乗り慣れていない方は特に、交通量の多い道路では利用をためらうことが少なくないかもしれません。
コロナをきっかけに自転車道(サイクルレーン)が増えましたが、2階建てのバスの真横を並走しなければならないことも多々あるため、利用する際はくれぐれもご注意ください。
ロンドン交通局(TfL)の公式サイトでは、交通ルールが学べるサイクルスキルコースと呼ばれる無料のオンラインレッスンが受講できます。
安心安全に走行するならロイヤルパーク
交通量の多い車道は避け、リラックスした環境でサイクリングを楽しみたい方には、ハイドパークやケンジントンガーデンなどのロイヤルパーク内での走行がおすすめです。
自転車道の表示がある道のみの走行となりますが、広大な敷地内には観光スポットやカフェも点在しており、休憩しながらゆっくり楽しむことができます。
↓ハイドパークとケンジントンガーデンの自転車道や自転車置き場(ドッキングステーション)の位置を記したマップを作成したので参考にしてみてください。
2. Santander Cycleの料金プランを紹介
支払いカードやアプリがあれば誰でも手軽に借りられるTfLのSantander Cycleには、普通の自転車と電動アシスト自転車 (E-bike)の2種類があります。
利用頻度に合わせて次の4つの料金プランから選べます。
(2024年6月時点)
1日パス(Day Pass)
Day Passは、3ポンドで30分間のサイクリングを回数制限なく楽しめるパスです。
30分以内に返却し、再度レンタル手続きを行えば「3ポンドで1日乗り放題」となりますが、30分を超えて使用すると「30分ごとに1ポンド65ペンスの追加使用料」がかかるのでご注意ください。
電動アシスト自転車の使用時には「1ポンドの追加料」を支払い、30分を超えて使用すると「30分ごとに3ポンド30ペンスの追加使用料」がかかります。
【普通自転車】
- 3ポンドで何度でも30分間使用可(1日)
- 30分を超えての「継続」使用は30分毎に£1.65の追加料
【電動アシスト自転車】
- 追加料1ポンド / 30分間
- 30分を超えての「継続」使用は30分毎に£3.30の追加料
E-bikeの利用には、Santander Cyclesアプリ(またはCustomer key)が必要です。専用自転車置き場にある機械ではE-bikeのレンタル手続きはできないためご注意ください。
シングル・ライド (Single Ride)
Single Rideは、30分以内のサイクリングを1度だけ楽しみたい時や、自転車を乗り換えずに30分以上継続して利用したい時におすすめです。
【普通自転車】
- 1ポンド65ペンス / 30分間
- 30分毎に£1.65の支払い
【電動アシスト自転車】
- 3ポンド30ペンス / 30分間
- 30分毎に£3.30の支払い
E-bikeの利用には、Santander Cyclesアプリ(またはCustomer key)が必要です。専用自転車置き場にある機械ではE-bikeのレンタル手続きはできないためご注意ください。
1ヶ月のサブスク (Monthly subscription)
1ヶ月のサブスク料は「20ポンド」です。
60分間のサイクリングを1ヶ月間、回数制限なく利用できます。
【普通自転車】
- 60分間乗り放題 (60分以内に乗り換えれば追加料金無し)
- 60分を超えての継続使用は60分毎に£1.65の追加料
【電動アシスト自転車】
- £1 / 60分間の使用
- 60分を超えての継続使用は60分毎に£3.30の追加料
サブスクの申し込みはSantander Cyclesアプリより行えます。
1年間のサブスク (Annual subscription)
1年のサブスク料は「120ポンド」です。
60分間のサイクリングを1ヶ月間、回数制限なく利用できます。
18歳以上の学生はStudent beansを通すと25%オフになります。
【普通自転車】
- 60分間乗り放題(60分以内に乗り換えれば追加料金無し)
- 60分を超えての継続使用は60分ごとに£1.65の追加料
【電動アシスト自転車】
- £1 / 60分間の使用
- 60分を超えての継続使用は60分毎に£3.30の追加料
年会員の申し込みはSantander Cyclesアプリより行えます。
3. Santander Cycleの借り方ガイド
以下、2通りのレンタル方法を紹介します。
- 自転車置き場にある機械での借り方(日本語対応 / E-bikeレンタル非対応)
- 専用アプリでの借り方(日本語非対応)
自転車置き場にある機械での借り方
市内各地にある専用のTfL自転車置場(ドッキング・ステーション)では、タッチスクリーンの機械でレンタル手続きや支払いができます。
この際、言語選択をすれば「日本語表示」にできるので英語に不安な方でも安心して利用できるはずです。
最寄りのドッキング・ステーションはTfLの公式サイトやcitymapperアプリで探せます。
手続きの際にはクレジットカードやタッチ決済(コンタクトレス)カードが必要です。現金、スマホ決済には対応していません。
以下、機械でのレンタル手続きと返却時の手順を紹介します。
手続きの手順
- 言語選択をする
- 画面の指示に沿って手続きを行い、カードを挿入&4桁のPIN入力
- 5桁の解除コード (Release code)の紙が発行される(レシートの発行も可)
- 借りたい自転車のスロットにあるパッドに解除コードを入力しロックを解除(青のライトでロック解除完了)
- 自転車を引き出し利用開始
解除コード(Release code)が発行されたドッキングステーションの自転車のみレンタルすることができます。
解除コードの有効期限は発行されてから10分間です。10分以上経ってしまったら再発券しましょう(追加料金はかからない)
返却時の手順
- 空きスペースのあるTfLのドッキングステーションを見つける
- 自転車をスロットに挿入しライトが黄色から青に変われば返却完了(音も鳴る)
再度レンタル手続きする際は、返却してから5分程度待つ必要があります。
専用アプリでの借り方
Santander Cyclesアプリでは次のことができます。
- ドッキングステーションの状況確認(レンタル可能台数、返却スペース)
- 地図の利用
- 使用料の通知
- 利用履歴の確認
- お気に入りのドッキング・ステーション登録
アプリでの利用手順
- (初回)Santander Cyclesアプリをダウンロードして登録手続き
- (初回)アプリのホーム画面左上のアイコンを開く→名前をタップ→Subscription DetailsからSingle, Monthly, Annualのいずれかを選びカード情報を入力→Submit
- 最寄りのドッキング・ステーションを選びHIRE NOWを選択
- アプリに表示されているRelease Codeを、借りたい自転車のスロットにあるパッドに入力しロックを解除
- 自転車を引き出し利用開始
利用時の注意点
- Release codeは10分間有効(過ぎたら再発行 / 追加料金無し)
- HIRE NOWを選択したからといってドッキング・ステーションの自転車が予約できたわけではない(到着したら利用できる自転車が無い可能性もあり)
- 自転車がなくても再度別のドッキングス・テーションを選べる(使用料が2重にとられることはない)
4. 自転車の盗難に要注意!
ロンドン市内では自転車盗難が大きな問題となっており、2017年~2021年の5年間に約16万台の自転車が盗まれたと報告されています。これは約16分に1台のペースです。
(情報ソース: CyclingWeekly.com)
鍵をしっかりかけていても、鍵のかかっていないサドルや車輪などのパーツが盗まれてしまうことも珍しくはなく、個人所有の自転車のみならず、レンタル自転車もターゲットとなることがあるので注意が必要です。
レンタル自転車の利用中はできる限り自転車のそばを離れず、離れる際は、短時間であっても自転車置き場(ドッキングステーション)に返却するのがおすすめです。(TfLの自転車にロックは一切ついてません)
TfLのレンタル自転車は、24時間以内に返却しなければ300ポンドが課せられることもあるので、くれぐれもご注意ください。