当サイトの記事内には広告リンクが含まれる場合があります。リンクより商品を購入されると、当サイトにコミッションが支払われることがあります。詳細

ウィンザー城とは?見どころとアクセス【世界最大の居城】

tankslondon.com

この記事では、英国王室の歴史が詰まるウィンザー城について、観光前に知っておきたい歴史や見どころ、アクセス情報などを紹介しています。

1. ウィンザー城とは?

空撮されたウィンザー城

英語表記 – Windsor Castle
場所 – バークシャー(イングランド)
敷地面積 – 13エイカー (5ヘクタール)

ウィンザー城は、王族の邸宅として1000年近くの歴史がある、居城としては世界最古・最大の宮殿です。

現在でも、チャールズ国王を始めとするロイヤルファミリーが、公務に従事されていない時にお住まいになるプライベート・アパートメントがあり、城内には、美しい庭園や礼拝堂に加え、国賓を招いての公式晩餐会や叙任式などの公式行事が執り行われる部屋もあります。

ウィンザー城は、ロンドンから西に35km、バッキンガム宮殿から車で約50分の場所にあり、ロンドンから日帰りで訪れることができる人気の観光スポットとなっています。

ウィンザー城の歴史と建築様式

ウィンザー城の歴史は、ノルマン朝のウィリアム1世(在位1066〜1087年)が、1070年代後半に木造の城を築いたことから始まります。

当初は、要塞としての目的で建設されたものでしたが、後に王室の居城としても使用されるようになりました。

ウィンザー城がある土地に最初に建てられた石造り建物は、ウィリアム1世の曾孫にあたるヘンリー2世(在位1154〜1189年)によって拡張され、のちに代々の国王により増築や改修工事が繰り返されてきました。そのため、現在の城内では建築様式の異なる建物が見られます。

エリザベス2世が「ホーム」と呼んだウィンザー城

2022年に崩御されたエリザベス2世 (在位期間は70年)。

エリザベス女王とウィンザー城の繋がりは深く、幼少期は毎週末を城で過ごされ、第二次世界大戦中は避難先として使用されていました。

女王に即位され公務で忙しくなった後も、できる限り毎週末をウィンザー城で過ごし、毎年欠かすこと無く参加されていた競馬の祭典「ロイヤル・アスコット」の期間中も、決まってウィンザー城に滞在されていたとのだとか。

2022年9月19日のウェストミンスター寺院での国葬後、エリザベス女王の棺は、70年以上連れ添ったフィリップ殿下も眠る、ウィンザー城内のセント・ジョージ聖堂に埋葬されました。

次の項目では、ウィンザー城観光時の見どころを紹介しています。

この記事の目次に戻る

2. 城内の見どころ


ウィンザー城内は、大きく3つのエリアに分かれています
(マップ内の黒アイコン参照)

  • Lower Ward
    衛兵交代式、セント・ジョージ・チャペル、観光客出口
  • Middle Ward
    観光客の入口、高台のラウンド・タワー
  • Upper Ward
    ステートアパートメント、メアリー王妃のドールハウス

城内には所々に案内表示があるためわかりやすく、日本語対応のマルチメディアガイド(入場料に含まれる)もあるため迷うことはないと思います。

ただし、日時や状況により見学の順路は変わってくると思うので、ここで紹介する見どころ解説を参考に、観光時の計画を立ててみましょう。

ちなみに、見学の所要時間の目安「2~3時間」ですが、じっくりと見学するのであれば「半日」必要となるかもしれません。

基本、ウィンザー城の建物内部は「写真撮影禁止」のため、見学の際はご注意ください。

ラウンドタワーの旗

丘の上に建つウィンザー城のラウンドタワー

場所 – Middle Ward

丘の上に建つラウンドタワーは、1170年代後半にヘンリー2世により建てられた石造りの塔です。

観光時は「塔の上の旗」に注目してみましょう。
チャールズ国王が滞在中には、このラウンドタワーに「ロイヤルスタンダード」と呼ばれる王室旗、不在時には英国旗「ユニオンジャック」が掲揚されています。

ラウンドタワーの周囲は素敵な庭園になっているので、塀から覗いてみましょう。

セント・ジョージ・チャペル

ウィンザー城の敷地内にある聖ジョージ聖堂の外観

英語表記 – St George’s Chapel
起工 – 1475年
場所 – Lower Ward

セント・ジョージ・チャペル(礼拝堂)は、Lower Wardに建つゴシック様式の建築物で、王室と*ガーター騎士団のために創設された礼拝堂です。

*チャペルの観光向け一般公開日は、月、木、金、土です。(2024年6月時点)
*チャペル内での飲食、写真・ビデオ撮影はできません。

*ガーター勲章と日本の皇室

ガーター勲章は、イングランドの最高勲章であり、中世の騎士道物語(アーサー王物語)に感銘を受けたエドワード3世が1348年に設立した「ガーター騎士団」のメンバーに贈られます。毎年6月には、セント・ジョージ・チャペルでガーター勲章のセレモニーが開催されています。

騎士団員は、イギリスの王族、臣民(24名以内)、外国の君主などから成り、日本の歴代天皇はガーター特別騎士の称号を受けています。セント・ジョージ礼拝堂の聖歌隊席には、多くのガーター勲爵士の旗に加えて、天皇および皇室を表す菊花紋章の旗が掲げられています。

王族の墓所

セント・ジョージ・チャペルは王族の墓所でもあり、2022年に永眠されたエリザベス2世をはじめ、英国史で最も有名な国王の一人であるヘンリー8世も葬られています。

埋葬されている王族例

  • エリザベス2世とフィリップ王配
  • ジョージ6世とエリザベス王妃(エリザベス2世の父母)
  • ヘンリー8世とジェーン・シーモア(3番目の王妃)
  • チャールズ1世
  • エドワード4世
Memo

エリザベス2世が眠る「ジョージ6世記念礼拝堂」を訪れるため、チャペルには長い行列ができることがあります。

王室行事での使用

セント・ジョージ・チャペルは、これまでに多くの王族の結婚式が執り行われてきた場所でもあります。

【チャペルで行われた結婚式の代表例】

  • ハリー王子とメガン妃の結婚式(2018年)
  • ユージェニー王女とジャック・ブルックスバンク(2018年)
  • 英国王チャールズ3世とカミラ王妃の祝福の儀式(2005年)
  • エドワード王子とソフィー妃(1999年)
  • 英国王エドワード7世とアレクサンドラ・オブ・デンマーク(1863年)

見どころのトップに戻る

衛兵交代式

ウィンザーの町中を行進しウィンザー城に向かう衛兵達
ウィンザー城へ向かう衛兵

英語表記 – Changing the Guards
開催日時 – 火曜、木曜、土曜 11:00am~(2024年4月時点)
場所 – Lower Ward

1660年より続くウィンザー城の衛兵交代式のセレモニーは、「午前11時」よりウィンザー城内のセント・ジョージ・チャペルのすぐそばにある広場で開催されます。

城内でのセレモニーを見学するには、ウィンザー城の入場チケットが必要ですが、セレモニーの前後、新旧の衛兵が兵舎(城外)とウィンザー城間の道を行進する様子は、誰でも無料で見学できます。

バッキンガム宮殿の衛兵交代式と比べると式全体の規模は小さいものの、上品で落ち着いた雰囲気のウィンザーならではの交代式が素敵です。

【衛兵の行進・式の時間(目安)】

開催日:火・木・土(2024年4月時点)

  • ウィンザー城への衛兵行進 (10:50頃から)
  • 城内での衛兵交代式(11:00~11:20)
  • 交代式後の衛兵行進(11:20頃から)
Memo

「町中を行進する衛兵」と「城内での交代式」の両方を見学するのであれば、午前11時の入場チケットを予約するのがおすすめです。

交代式は、王室の特別行事や天候により開催中止となることもあるため、事前の開催日チェックがおすすめです。

見どころのトップに戻る

ステート・アパートメント

ウィンザー城の中庭を行進する衛兵とアパートメント

英語表記 – The State Apartments
場所 – Upper Ward

ステート・アパートメントとは、他国首脳による公式訪問や叙任式、慈善団体の為の晩餐会や歓迎会などが開かれる部屋のことで、公式行事で使用されていない時に一般公開されています。

ステート・アパートメントを訪れる際は、各部屋に飾られた壺やキャビネット、彫刻、時計などの他、「ルーベンス」や「ヴァン・ダイク」による絵画など、ミュージアム級の美術品にも要注目です。

以下、ステート・アパートメントの見どころを順に紹介します。

インナー・ホールからのロング・ウォークの景色

ステートアパートメントに入った場所にある「インナー・ホール」。

ホールの突き当りにある窓からはコートヤードが見え、よく見ると、アーチの向こうに4kmにも渡る「ロング・ウォーク」が見えます。

この美しい景色は必見。

Memo

ロング・ウォークとは、350年ほど前、 チャールズ2世がハンティングを行っていたグレートパークと城を繋ぐ為に作られた道のこと。エリザベス2世の葬列はロング・ウォークを通りセント・ジョージ・チャペルで埋葬式が執り行われました。また、ハリー王子とメガン妃が結婚式後に通った道でもあります。

インナーホールにはカフェやトイレもあり、ステートアパートメントの出口にも繋がっています。

グランド・レセプション・ルーム

シャンデリアと金色の装飾がゴージャスな部屋。

1992年の火災で甚大な被害を受けたものの、長期にわたる工事により完全修復された。

窓際にある「巨大な緑の孔雀石製の飾り壺」は、ロシア皇帝の即使がイングランドを訪問したあと、皇帝からヴィクトリア女王に贈られたもので、1839年に蒸気船で届けられた。

セント・ジョージ・ホール

公式晩餐会が行われる大ホールで、木材を用いた天井に、ガーター勲爵士の紋章がいっぱいに貼られているのが特徴的。

1992年の火災による屋根崩落後、全面改修された。

ちなみに、出火元はこのホールの隣にあるLentern Lobbyで、スポットライトの熱により天井近くにあったカーテンが発火したと考えられているのだとか。

セミ・ステートルーム

  • Green Drawing Room
  • Crimson Drawing Room
Memo

セミ・ステートルームは、毎年秋~春の期間限定で一般公開されています。2023年は10月1日~2024年3月24日までオープン。

セミ・ステートルームとは、ジョージ4世のプライベート・アパートメントとして造られ、現在ではステートルームの一部として使用されている部屋のこと。

ウィンザー城内で一番豪華なジョージアン様式の部屋で、Morel & Seddonによるインテリアが特徴的。

王妃の近衛兵控えの間

英語表記 – Queens guard chamber

「王妃の近衛兵控えの間」の見どころは、1805年のトラファルガーの海戦でネルソン提督の命を奪った銃弾が収められたロケットペンダント。

ガラスのキャビネットに展示されています。

王妃謁見の間と王妃の公式会見の間

英語表記 – Queens presence chamber / Queens audience chamber

チャールズ2世の王妃、キャサリン・オブ・ブラガンザの部屋で、ウィンザー城では数少ない、当時とほぼ変わらない状態を保った貴重な部屋。

チャールズ国王による統治の正当性を象徴する装飾は、東西随一の職人達によって飾り付けられた。

  • グリリング・ギボンズによる木製の彫刻
  • 復活した君主制を描いたアントニオ・ヴェッリオによる天井画
  • タペストリー

見どころのトップに戻る

メアリー王妃のドールハウス

英語表記 – Queen Mary’s Dolls’ House
作成年 – 1921~1924年
設計 – エドウィン・ラッチェンス
場所 – Upper Ward

メアリー王妃のドールハウスとは、国民からジョージ5世の妻であるメアリー王妃に贈られた世界最大のドールハウス(ミニチュアの家)のこと。

完璧と言って良いほどに作り込まれたドールハウスは、全ての家具や装飾、本や雑貨などが1500名もの専門の職人により制作され、その一つ一つは精巧さを極めた芸術の域です(電気もつけばトイレの水も流れる!)。

このドールハウスが完成してから100年となる2024年は、城内のウォータールー・チェンバーにてミニサイズのグランドピアノや本物の宝石があしらわれたミニ王冠などが特別展示されています(展示は火曜、水曜以外の日)。

Memo

ドールハウスとステートアパートメントの入口は同じ場所にありますが、列は別々です。ドールハウスの列が長ければ、先にステートアパートメントを見学するのも手。ただし、先にステートアパートメントを見学すると、一旦建物を出てから再度入り口に戻る必要があるのでご注意を。

見どころのトップに戻る

ロング・ウォークとウィンザーの町

ロング・ウォークとウィンザー城の景色
ロング・ウォークとウィンザー城

時間に余裕があれば、城外に伸びるロング・ウォーク(↑写真)まで歩いたり、ウィンザーの町を観光するのもおすすめです。

ロング・ウォークの歩道の終わり付近まで歩き、振り返ると、素晴らしいウィンザー城の景観が楽しめます。天気の良い日にはロンドンのスカイラインも見れるかもしれません。

Memo

ロング・ウォークへの行き方は、このグーグルマップの地点を目的地として経路検索すれば辿り着けるはずです。※城内からはアクセス不可

3. チケット予約とアクセス

ウィンザー城とヴィクトリア女王の像

人気観光地のウィンザー城は、早めの事前予約がおすすめです。

ロンドン市内からのアクセスは簡単で、日帰り観光が可能です。

以下、チケット予約とアクセス手段を紹介します。

ウィンザー城のチケット予約について

ウィンザー城の予約時は、入場日時を指定する必要があります。
春夏の観光シーズンは、早々に一番人気の午前の時間帯を中心に予約が埋まってしまうため、チケット予約はできる限り早く行うのがおすすめです。

ウィンザー城の入場チケットには、日本語解説が選べるマルチメディアガイドが含まれます。

【日本語でチケット予約】
チケットの概要をチェックする (GetYourGuide)


*ウィンザー城はロンドンパスでお得に入場することもできますが、2024年3月時点ではパス利用の場合は「午後のみ」入場可能とのことなのでご注意ください。

Memo

ウィンザー城以外の人気のある場所には、多くの英国首相を輩出した「イートンカレッジ」や、小さい子供に人気の「レゴランド」などがあります。ウィンザーの景色をゆったりと楽しむなら乗り降り自由の観光バスが便利です。

ウィンザー城までのアクセス

ロンドン市内からウィンザー城までは、長距離バスや鉄道でアクセスでき、どちらも所要時間は約1時間です。

以下、各交通手段について紹介します。

駅やバス停の場所は、記事の最後にある地図を参考にしてください。

アクセス手段その1:コーチ(長距離バス)

ロンドンのヴィクトリア駅そばにあるコーチ・ステーション(google map)より出発するLondon Line 702 (時刻表&ルートマップ)を利用。

  • 所要時間:約45分
  • 運賃片道£7~£13(*政府のスキームにより2024年12月31日まで片道£2!
  • 下車:ウィンザー城そばのバス停「Windsor Parish church」

運賃の支払いは、乗車時にキャッシュかタッチ決済(コンタクトレス)でできます。(オイスターカードは使用不可)

アクセス手段その2:鉄道

ウィンザーへの鉄道ナショナルレイルは、ウォータールー駅とパディントン駅より発着しています。

【ウィンザー城の最寄り駅】

  • Windsor & Eton Central駅(ウィンザー城まで徒歩約7分)
  • Windsor & Eton Riverside駅(ウィンザー城まで徒歩約10分)

Trainlineで経路&料金を検索する


この記事の目次に戻る

Powered by GetYourGuide