セントポール大聖堂とは?見どころ観光ガイド
この記事では、ロンドンの必須観光地の一つ「セントポール大聖堂」の見どころや観光前に知っておきたい情報を紹介しています。
1. セントポール大聖堂とは?

着工~完成:1675年~1710年
設計・建築家:クリストファー・レン
建築様式:バロック様式
英語表記:St Paul’s Cathedral
セントポール大聖堂は、英国を代表する建築家クリストファー・レンの最高傑作といわれる建築物で、イングランド国教会ロンドン教区の主教座聖堂です。
1666年のロンドン大火により壊滅的な被害を受けましたが、35年の年月をかけて現在の姿に再建されました。
高さ111メートルのドームが特徴的な大聖堂は、ロンドンのランドマークの一つして親しまれ、また国家的に重要なイベントが行われたり、英国の偉人が永眠する場所としても有名です。
【セントポール大聖堂で行われた国家的行事例】
- エリザベス女王の在位を祝うジュビリーの式典
- 元英国首相のマーガレット・サッチャーの葬儀(2013年4月17日)
- チャールズ3世とダイアナ妃の結婚式(1981年7月29日)
- 元英国首相のウィンストン・チャーチルの葬儀(1965年1月30日)
- ナポレオン戦争の英雄ウェリントン公爵の葬儀(1852年9月14日)
- トラファルガー海戦でイギリスを勝利に導いたネルソン提督の葬儀(1806年1月7日)
2. 観光時の見どころ

ここからは、セントポール大聖堂の見どころを「3つの見学エリア」に分けて紹介します。
聖堂内は、日本語対応のマルチメディア・ガイドの解説を聞きながら、各自のペースでゆっくり見学できます。
見学の所要時間は1時間~2時間が目安となります。
写真撮影はできますが、動画、フラッシュ、ライト、三脚などの利用はできなく、礼拝などが行われている際は写真撮影禁止なのでご注意ください。
「大聖堂の1階」の見どころ

セントポール大聖堂の入場チケットを見せ奥へ進むと、大聖堂の大空間が広がります。
マルチメディアガイドを借りてから見学をスタートしましょう。
ドーム
ドーム部分の真下に位置するエリアは、グリニッジのペインテッドホールの天井壁画を手掛けたことでも有名な「ジェームズ・ソーンヒル」による聖パウロの8つのシーンを描いた絵画やモザイクの装飾が見どころで、中央から見上げたり、椅子に座ってゆっくり鑑賞できます。
グリンリング・ギボンズの木彫り装飾
グリンリング・ギボンズとは、17世紀に国王の彫刻職人 (King’s carver)として有名だった木彫り職人で、聖堂内の聖歌隊席(Quire)では繊細な木彫り装飾が見られます。
ギボンズの彫刻は、ハンプトン・コート宮殿やウィンザー城でも見られ、ヴィクトリア&アルバート博物館にも作品が展示されています。
パイプオルガン
聖歌隊席にある「グランド・オルガン」を始め、聖堂内には合計4つのパイプオルガンがあります。
時折、練習中のパイプオルガンの音色(練習)が聞けることもあります。
毎週日曜の午後4時半頃からは、パイプオルガンの無料リサイタル(Sunday organ recitals)が楽しめます。(2023年7月時点の情報)
「回廊」の見どころ

回廊(Galleries)とは、大聖堂のメインフロアー(1階)より上にある大きなドーム部へ繋がる階を指します。
回廊には3つの階があり、一番上まで登ると360度のロンドンの町の景色が楽しめますが、上に行くにつれて狭くなり、急な階段になっていくため、体力と相談しながら登りましょう。
回廊へ行く際は、1階のドーム下手前の南側通路にある入り口にいるスタッフにセントポール大聖堂の入場チケットを提示します。
以下、各回廊を簡単に紹介します。
ささやきの回廊
英語表記:Whispering Gallery
ささやきの回廊は、3段階ある回廊のうちの最初にたどり着く階で、大聖堂1階から30メートルの高さにあります。(257段の階段)
「ささやきの回廊」と呼ばれるのは、壁に向かい囁くとドームの反対側でその囁き声が聞きとれる反響効果のある造りとなっているためです。
大聖堂の大型ドームは、外からは見えない内側にもドームがある複雑な建築構造となっていて、ささやきの回廊からは、その内側のドームに描かれた「聖パウロの8つのシーンを描いた絵画」を間近に鑑賞することができます。
石の回廊
英語表記:Stone Gallery
「石の回廊」は、大聖堂1階から53メートルの高さにある屋外展望回廊です。(1階から376段)
上に登るにつれ、階段の幅は狭くなっていきます。
金の回廊
英語表記:Golden Gallery
「金の回廊」は、大聖堂の1階から85メートルの高さにある最上階の屋外天望回廊で528段の階段を登った場所にあります。
石の回廊から金の回廊までの階段はかなり急で、回廊は人がなんとか行き交えるスペースしか無いため、体力に自信がなかったり、高所恐怖症の方は避けたほうが良いかもしれません。
「クリプト」の見どころ

クリプト(Crypt)とは、地下聖堂&埋葬地のことです。
主にイギリス史における偉人の墓所があり、同フロアにはお土産ショップやカフェ、トイレ、聖堂の出口があります。
以下、クリプト内墓所の「注目の偉人」を簡単にご紹介。
クリストファー・レン
クリストファー・レン (Christopher Wren) とは、セントポール大聖堂を設計した17世紀を代表する英国の建築家で、世界遺産グリニッジの旧王立海軍学校やハンプトン・コート宮殿、ケンジントン宮殿などの設計も手掛けています。
J.M.W.ターナー
イギリスを代表するの画家、版画家、水彩画家でロマン主義の作家でもあったターナー (J.M.W. Turner)。
ロンドン市内にある美術館「テート・ブリテン」では、数多くのターナーの作品を鑑賞できます。
ウェリントン公
ウェリントン公 (Arthur Wellesley, 1st Duke of Wellington) とは、ナポレオン戦争 (1803-1815年) で同盟軍を勝利へと導いたイギリスの英雄のこと。
ハイドパークのアプスリーハウスでは、ウェリントン公にまつわる歴史やウェリントン家所有の美術品などが楽しめます。
ネルソン提督
ネルソン提督 (Horatio Nelson)とは、アメリカ独立戦争やナポレオン戦争などで活躍したイギリス海軍の提督で、イギリス軍人一の英雄。
死後、君主以外で初めて国葬が執り行われた人物で、聖堂内の墓所は、大型ドームの真下に位置します。
トラファルガー広場には、4体のライオン像に囲まれたネルソン提督の記念柱が据えられています。
3. チケット予約とアクセス

観光入場チケットには、日本語対応のマルチメディアガイドや回廊へのアクセスが含まれます。
【チケット予約】
チケット概要をチェックする (GetYourGuide)
*セントポール大聖堂は、お得な観光パスであるロンドンパスやエクスプローラーパスの利用対象施設です。
アクセス
- 最寄り駅は「地下鉄セントポール駅」
- バス – 11, 15, 17, 26, 76, 4, 76, 521
最寄り駅のセント・ポール駅からは、徒歩5分程度。
入場の際には、簡単な荷物検査があります。
回廊を訪れる場合は、履きなれた靴がおすすめです。
時間があれば、セントポール大聖堂の最寄り観光地も同時に訪れてみましょう。