ロンドンの部屋探し徹底解説|予備知識と探し方~入居まで
部屋探しには苦労した…。
と言う人が多いロンドンの住処探し。
それなりに稼ぎのある人でも「他人とシェア生活」するのが主流のロンドンでは、部屋探しの際に知っておきたい事はいろいろ。
この記事を読み終わるころには、「ロンドンの家賃」から「シェア生活はどんなものなのか?」「安全性」「部屋の探し方」まで一通りのことがわかります。
*1万4千字の記事、全4部構成
1. 家賃と物件タイプ

不動産価格の高いロンドンでは、単身者の住まいは学生に限らず社会人であっても、他人と共同生活(フラットシェア)するのが一般的です。
ここでは、ロンドンでの家賃の相場や単身者に人気の物件の種類について、以下の順で解説していきます。
1-1 ロンドンでの家賃
ずばり、ロンドン市内の一人部屋(光熱費込み)のフラットシェアは…
- 一ヶ月で£450~£1000+
の幅広い家賃の物件があります。
(£1=¥160で換算すると¥72,000 ~ !)
実際には£450よりも安い物件もありますが、最低ラインはこの辺りとみれば良いと思います。
念のため強調しておくと、この値段は他人と共同生活をする「フラットシェアでの一人の家賃 / 月」となるのでお間違えなく。
そう考えると、やはりロンドンは高いですね…でも、残念ながらこれが現実です。
ただ、日本の賃貸である「礼金」は無いので良い点もあります。
ちなみに敷金にあたる「デポジット」と呼ばれる支払いはありますが、退去時に戻ってくることが大半です。
それでは次より、単身者向けの物件の種類を紹介していきます。
1-2 フラットシェア
まず「フラット」とは一つの建物に2物件(2世帯)以上が入っている建物のことで、日本のマンションの様なのもフラットと呼ばれますし、一軒家の様に見える家でも内部が2物件以上に分かれているものはフラットと呼ばれます。
同じ建物内にあっても各物件の住所は「Flat A」や「Flat B」などと分かれており、「フラットシェア」とはこれらの1物件を他人(フラットメイト)とシェアして生活することを指します。
シェアフラットは家具付きのことが殆どですが、たまに寝具は自分で準備しなければならないこともあり。また、多くのフラットシェアの家賃には光熱費やブロードバンドなどのBillが含まれていますが、たまに「別途光熱費等の支払い」としている物件もあるので探す際には注意しましょう。
1-3 ハウスシェア
ハウスシェアとは、一軒の家を他人とシェアして生活することを指します。
フラットの場合、建物内には別物件に住む人との共有部分(メインドアや廊下、庭など)があることが多いですが、ハウスシェアの場合はそれがないです。
フラットシェアと同様、家具付きのことが殆どで家賃には光熱費やブロードバンドなどのBillが含まれていることが多いですが、たまに「別途光熱費等の支払い」としている物件もあるので探す際には注意しましょう。
1-4 スタジオフラット
スタジオフラットとは、ワンルームにキッチンとバスルームが付いており同居者がいない、いわば日本の学生が一人暮らしするアパートの様な物件のことです。
自分だけの住まいとなるので伸び伸び自由!そして共同生活でのトラブルなどもないのが魅力的と言ったところでしょうか?
ただ、フラットなので同じ建物内に住むご近所さんとの共有スペース(メインドアや廊下、庭など)はあるかもしれませんが…。
スタジオフラットの場合、光熱費やブロードバンド、カウンシルタックス、TVライセンスなどのビルは家賃とは別払いの物件もあり、その場合、シェア物件よりも大分コストは高くなるかもしれません。
また、物件によっては家具が付いていないこともあります。
ちなみに、シェア物件と比べるとスタジオフラットは圧倒的に数が少ないです。
1-5 学生寮
大学は学生寮のある場所が多く、語学学校でも学生向けの物件を所有していている所もあるようです。
基本、キッチンなどが共有のシェア物件だと思いますが、学校の物件ということもあって借りる際には安心感があるかもしれませんね。
1-6 ホームステイ
日本の留学斡旋業者の中には「ホームステイ」の仲介をしてくれる所もあるかもしれません。
日本でホームステイと言うと「その家族の一員となって現地生活を送る」といったイメージを持つ方もいるかもしれませんが、ロンドンでのホームステイ先の多くは「ビジネス」として部屋を貸していることが多く「家族として迎え入れる」という認識の家庭は少ないのではないかと思います。
もちろん家族により差はあるとは思いますが「一般家庭の一部屋を間借りする物件」という感覚でいた方が誤解がないかも知れません。
ホームステイには朝食や夕食が家賃に含まれているものもあるようですが、受け入れ先により様々な決まりがあると思うので契約内容はよく確認しておきましょう。
2. 家探し前に知りたいあれこれ

ここからは、ロンドンに長期滞在する多くの方が経験する「フラットシェア」や「ハウスシェア」に関する様々なポイントを解説していくと共に、他人との共同生活がどのようなものなのかにも触れていきます。
ここに書いてあることを全部考慮していたら家は決まらないので、あくまでも参考程度に読んでください!でも、家探しを始める前に読んでおけば、物件募集の記事を見る際や内見時にきっと役立つはずです。
2-1 一人部屋とルームシェア
シェア物件には、「一人部屋」と「ルームシェア」の2つがあります。
そのままですが、一人部屋は一人用の部屋のことで、ルームシェアとはいわゆる相部屋の意味になります。
ルームシェアは家賃を安く抑えられるのが魅力で、ひと部屋をカップルや友達同士でシェアする人もいれば、全く知らない人とシェアする人もいます。
私が過去に住んでいたフラットでも、一室を男女2人でシェアしていたフラットメイト(外国人)がいました。驚いたのは、この2人は元々カップルでも友達でもなかったということ。
一人部屋として借りた物件に、大家の了承なしに2人以上が住むことはできないのでご注意ください。(国の規制があります)
2-2 同居人の数は物件により様々
これは物件の大きさも色々なので当たり前のことなのですが、物件には2人だけでシェアする所もあれば3~6人ほどでシェアする家もあります。
人数が多い物件は賑やかで楽しそうですが、共有スペースであるキッチンやお風呂をシェアする人数が多いので、バスルームの数や冷蔵庫の大きさなどは契約前に確認しておきたいところ。
朝、急いでいる時にフラットメイトがシャワーを浴びていて(特に外国人とシェアの場合)トイレに入れないのは勘弁なので、お風呂とトイレが別になっているかも考慮しておきたいことかもしれません。
バスルームと言えば、一人部屋によっては「自分専用のバスルーム」が付いていることもあります。もちろん、家賃はお高めですが…。
2-3 共有のエリアと消耗品
シェア物件には必ず「共有エリア」があります。例えば…
- リビング・ダイニングルーム
- キッチン
- バス
- トイレ
- 廊下
- 庭 など
共有エリアの掃除は、当番制になっている所が多いです。
家によっては週一でお手伝いさん(クリーナー)が来て掃除してくれる物件も少なくはなく、大家さんと同居する物件においては共有エリアの掃除は大家さんがしてくれることもあります。
次に「共有エリアの共用消耗品」も見てみましょう。例えば…
- キッチン用洗剤・スポンジ
- トイレットペーパー
- 掃除用洗剤
- ハンドソープ
- ゴミ袋 など
これらは当番制で購入したり、居住者全員でお金を出し合ったりとその家によりルールは様々。
大家さんが同居であれば、大家さんが管理&購入してくれることも珍しくはありません。
2-4 同居人は日本人?外国人?
ロンドンの物件広告を見ていて気になることの一つに「シェアメイトとなる人の国籍」があります。
まずお伝えしておきたいのは、外国人であれ日本人であれ本当に色々な人がいるので、自分と相性の良いフラットメイトに出会えるかはまさに「運次第」ということです。
それを前提に「外国人との同居」か「日本人同士での同居」かを考える際の参考に、以下を読んでいただければと思います。
まず、在英中にどんな環境に住みたいのかは、個々により様々な考えがあるかと思います。
例えば…
- 英語環境に浸るため外国人とシェア生活したい
- 日本語が全く通じないのは不安なので日本人と同居
- どちらも良さげ。同居人の国籍は問わない
どれもいい考えだと思います👍
ただ、それぞれに向き不向きな人や利点難点もあるので一つ一つ見ていきたいと思います。
外国人とシェア生活
英語にどっぷり浸かるには、家の中でも英語を話す・聞くことのできる外国人とのシェア生活はとても魅力的ですよね。しかも英語だけでなく、外国人との貴重な共同生活体験から学べることは他にも沢山あるはずです。
ロンドンには様々な国の人がいるので、必ずしも英語に堪能な外国人がフラットメイトになるわけではありませんが、必然的に英語を使わなければならない環境となることには間違いありません。
ただ、海外生活とは中々過酷なもの。日本と違いすぎる常識や日々の生活での度々のトラブルに心が折れてしまう、というのは良くあることです。そんな時に、日本語が話せなかったり心から共感できる人が側にいないというのは結構辛いかも知れません。
日本人と同居
「ロンドンに来てまで日本人と住むなんて、せっかくの海外生活なのに意味がない!」
と思う方もいるかもしれません。
でも、私は日本人との同居もすごくいいと思います。
日本人との同居物件というのは日本人が代々住んでいることが殆どなので、すでに日本人が過ごしやすい環境が整っているのが魅力です。
例えば、家の中は日本式に土足厳禁だったり、バスタブがあったり、日本の調理器具があったり…。
先に入居している日本人に色々と教わることもできるので、右も左もわからない在英一年目や英語力に自信がない人には特に最適かもしれません。
「外国人とシェア生活」のところでも触れましたが、海外生活では様々な壁にぶつかるので、「外では戦う」「家では日本環境に癒される」といった感じでバランスをとれる「日本人との同居」は、長期的にみると精神衛生上良いかもしれません。
ただ、日本環境に依存しすぎて、ロンドンで挑戦したいことを見失っては元も子もないので、目標を持ち、向上心を保ち続けられるように努力する必要はあるかもしれません。
同居人の国籍は問わない
「日本人とでも外国人とでも、海外でのシェア生活は楽しそうだから同居人の国籍にはこだわらない。」と考える方は、ある程度マイペースで流れに任せてイギリス生活を送っていける楽観的タイプの方が多いかと思います。
このタイプの方は、外国人、日本人との共同生活において何か問題があった時でも深く悩まないので、割り切って、楽しんで過ごせるのではないかと思います。
ただ、楽観的なのは良いのですが、契約事項やハウスルールなどの決まりごとはちゃんとチェックするようにしましょう!
2-5 日本人が気になるお湯事情
お風呂好きな日本人にとっては気になる人も多い「イギリスのお湯事情」にも触れておこうと思います。
ロンドンでは物件によって「シャワーを浴びていると途中から水しか出なくなる」ことや「キッチンのお湯とシャワーのお湯を同時に使うと水圧が弱くなる」ということが結構あります。
実はこれ、各家に備え付けられているガス給湯器(ボイラー)の種類が関係しています。
なので、物件に備わっているボイラーの種類がわかると、その家のお湯事情がどんな感じなのかも想像がつきます。細かいことですが、これによりお風呂の使い方が変わってくるので知っておくと便利です。
以下、イギリスで使用されている主なボイラー3種類の特徴を紹介しますので参考にしてみてください。
コンビボイラー
コンビボイラーは、お湯を使う際にその都度沸かしてくれる特徴があり、途中で冷たくなってしまうことがありません。
ただ、パワーに欠けるという欠点があり、2カ所以上(例えばキッチンとバスルーム)で同時に利用すると水圧が落ちたり、お湯が沸かしきれずに温度が落ちたりします。
このボイラーは小型な為、スペースが限られるロンドンの家では特に人気のボイラーだそうです。
コンビボイラーがある家に住む際には、フラットメイトがお風呂に入っている時に他でお水を使わないように気を付けた方が良いかもしれません。
システムボイラー
システムボイラーは2つ以上のバスルームがある家に適したボイラーで、使うお湯を前もって溜めておけるシリンダーがあるのが特徴。複数の場所で水を使っても水圧が落ちないのも👍
ただ、前もってお湯を溜めておくことしかできないのでタイマーを使う必要がある上、シリンダーに溜められるお湯がそれほど多くないことから、お湯をたくさん使う家庭には不向き。シリンダーからお湯がなくなれば、再びお湯が沸くまで待たなければなりません。
システムボイラーがある家では、お風呂にお湯を溜めるとそれだけでお湯がなくなってしまう可能性があります。すぐ後に入る人がいるのなら、シャワーだけで済ますのが無難かも?
コンベンショナルボイラー
コンベンショナルボイラーとは、お湯を溜めるシリンダーに加え大きなタンクがあるのが特徴のボイラー。システムボイラーに比べお湯が沢山使えるうえ、複数カ所で水を使っても水圧が落ちることはありません。
ただ、システムボイラーと同じく事前にお湯を溜めておかなければならなく、タンクからお湯がなくなってしまえば再びお湯が溜まるまで待たなければなりません。
コンベンショナルボイラーは広い設置場所が必要なことから、スペースに余裕のある大きな家向き。
コンベンショナルボイラーは、システムボイラーと比べればもっとお湯が使えるような感じがしますが、フラットメイト(例えば3人)が続けてバスタブにお湯を溜めて入れるようなタンク容量ではないので、状況によりお風呂に浸かるのは難しいかも?
2-6 大家と同居か非同居か
フラットでも一軒家でも、大家と同居する物件とそうでない物件があります。
「大家と住むと気を遣うから避けたい」という方は多いと思いますが、大家が一緒に住むメリットは案外たくさんあり、個人的には大家と同居する物件の方がおすすめだったりします。
例えば、生活していると水漏れが起こったり、停電したり、洗濯機が壊れたり、ヒーターが温かくならなかったり、トイレが詰まったりと色々なことが起こります。こんな時に大家さんが同居していると早急な対処が期待できます。
大家が別の場所に住んでいたとしても、問題が起こった時には大家さんに電話をして対処してもらえば良いだけの話なのですが、大家によっては対応が遅かったり、元々の契約で、故障やトラブルの種類によっては住人達が自分たちで何とかする決まりになっている物件も無きにしも非ず。
大家と同居しない物件は開放的に感じるかもしれませんが、一人一人が家の管理にある程度の責任を持つことが大切で、そうでなければフラットメイト間でのトラブルは起こり易いと言えます。
2-7 良い大家の見つけ方
大家と同居することのメリットを沢山書きましたが、たまに、大家自身が理不尽な人だったりトラブルメーカーだったりすることも良くあるので用心したいところです。
入居後のトラブルを避けるためにも、良い大家を見分けるにはどんなことに注目したらいいのかを考えてみましょう。
大家との直接契約
まずロンドンのシェア物件は、不動産会社や仲介業者を通さずに大家個人が直接入居者を募集していることが多く、その場合、入居契約から退去までの全てを大家と入居者のみでやり取りすることとなります。
ロンドンに住む日本人のコミュニティサイトMixBでは、募集物件によっては、その物件に居住中の日本人の方が大家に頼まれて募集広告を出しているケースが良くあります。あくまでも、これら日本人の方々は広告を出しているだけなので、疑問や契約事項などの大事な事柄は大家に直接確認することが重要となります。
そのような仕組みから「シェア物件の多くで、賃貸契約のきちんとした書類もなく入居」となることも少なくはなく、下手すれば、すべては口頭のみで入居決定となることも十分に考えられます。
もし大家さんが賃貸契約書をきちんと用意してくれるような人であれば(自分がリクエストしなくても)、ある程度信頼のおける大家と思って間違いはないですし、入居後のトラブルも少ないと言えるかもしれません。そうでない場合は、家の契約事項にかかわることや確認は全てメールで行い、万一の時に備え、それらメールは保存しておくことをおすすめします。
以下に、私が考える良い大家を見極めるポイントを挙げておくので参考にしてみてください。
良い大家の見極めポイント
- どんな質問にも分かりやすく丁寧な回答
- 高圧的でない
- 前・今の住人の居住期間が長い
- 内見が親切丁寧
- デポジットや家賃の領収書にも快く対応
3. 安全性や防犯について

世界一安全な国と言われる日本。そんな国で生まれ育った私たちが海外での暮らしをすると、安全性の違いに驚くこともしばしば。
いくら家賃が安くても、立地が良くても、家の防犯対策がおろそかな家は出来る限り避けたいところです。
ロンドンで家探しをする際に知っておきたい、安全・防犯について以下の順で解説していきます。
3-1 ロンドンで安全なエリア
広いロンドンでの家探しをする際に、どのエリアが安全なのか?住まない方がいいエリアはあるのか?と気になる方も多いと思います。
私事となりますが20年近くに渡る在英生活の中で、これまでロンドンの東西南北のエリアに住みましたが、幸いにも危険な目にあったことはこれまでに一度もありません。
ただ、近所で泥棒に入られた家や不審者らしき人、素行の悪い若者などは「どのエリアにもいた」ので、個人的には、どのエリアに住むのか?よりも「住む家自体の安全性」や「外出時に身の回りに気を付ける」ことの方が重要なのではないかと思います。
ロンドンの犯罪データをチェックする
ロンドンの警察組織「メトロポリタン・ポリス」(略してMet Police)は、ロンドンで起こった犯罪をデータ化して公式サイトで公開しています。家探しの際に参考にしてみるのも良いかも知れませんね。
Met Office公式サイト:https://www.met.police.uk/sd/stats-and-data/
このページにある「Crime data dashboard」を見ると、ロンドンの各地区で起こった犯罪件数などがチェックできます。
日本人コミュニティのあるエリア
「ここは安全」と言えるおすすめエリアはないのですが、比較的「安心」と感じられるかもしれない日本人が多く住むエリアを紹介しておきます。
これらのエリアには日本食スーパーマーケットや日本人学校などがあり、昔から日本人が多く住む場所として人気があります。
- アクトン
- イーリング
- ゴールダーズグリーン
- セント・ジョンズウッド
- フィンチリー
3-2 家の安全性をチェック
先ほども述べたように、どのエリアに住んでいても泥棒が入ることはあるし不審者はいるものです。
どんなに綺麗な家であっても家の防犯&安全対策を怠っているような家であれば、大家の家の管理に対する意識も薄いと言えるのかもしれません。
内見の際には以下を参考に、どんな防犯&安全対策がされているかもチェックしておくと家を選ぶ際に役立つかもしれません。
必須の防犯設備
まずは、ロンドンの家には必須と言える防犯設備をご紹介。
ドアの鍵
玄関のドアに限らず、通りに面する裏口や庭に通じるドアなどもあれば、鍵がついていることを必ず確認しましょう。
鍵のタイプは色々ですが、ロンドンの物件に多い木製の玄関ドアであれば、BSIが定めるBritish Standard Lock「BS3621」の鍵であるかどうかを確かめたいところ。
この「BS3621」の鍵があるかどうかはイギリスの住宅保険会社では保険に加入する際の必須事項としている所もあるぐらいなので安全性の目安になるはずです。
ドアの鍵が「BS3621」かどうかを確かめるには、Locksmith.co.ukのページが参考になります。
窓の鍵やセーフティボルト
イギリスは建物は築100年以上であることが普通ですが、昔ながらの建築は時に防犯上あまり安全だとは言えない面があります。
人気のヴィクトリアン・ハウスなど、伝統的な家には「Sash window」と呼ばれる大きな窓があり素敵ですが、各窓のロックや窓が少ししか開かないようにする「セーフティボルト」 などの防犯対策されているのが望ましいところ。
地階の物件には「鉄格子」(Window Grille) もついていると尚良し。
メトロポリタンポリスUKの窓の防犯に関するページが参考になるかもしれません。
家周辺の灯り
ロンドンの町は賑やかな通りを一歩入ればとても静か。
物件にたどり着くまでに街灯が少なく、細く静かな路地を通らなければならなかったり、家の周りが暗い物件の場合は、空き巣に被害にあいやすかったり犯罪が起こりやすいと言えるかもしれません。
このような物件では、玄関付近や裏口にライトが取り付けられているかチェックしておきましょう。
内見が昼間の場合には、一度、夜の様子を見に行ってみるのもおすすめです。
あったら良い防犯・安全設備
ここからは、必須ではないけどあったら防犯・安全性がより高いと言える設備をご紹介。
セキュリティアラーム
セキュリティアラームとは泥棒が入るとアラームがなるシステムのことで、日本でお馴染みの「SECOM」はイギリスでも信頼のブランドです。
セキュリティアラームが物件にあるかどうかは、建物の外壁にボックスが付いているかどうかで判断できます。このボックスが付いているだけで泥棒除けとなる為、アラームの鳴らないフェイクのボックスを付けている家もあったりします。
スモーク・ディテクター
スモーク・ディテクターとは煙を感知するとアラームが鳴る装置のことで、ファイヤーアラームとも呼ばれます。日本でいう火災報知器のことですね。
比較的新しい家には各部屋に設置されていると思いますが、しばらく改装されていない家にはないことが多いです。
ほどんどのスモーク・ディテクターは白いプラスチック製で天井に取り付けられています。どんな見た目なのかは画像検索「smoke detector」でチェックしてみてください。
カーボンモノキサイド・ディテクター
カーボンモノキサイド・ディテクターとは、一酸化炭素中毒を防止するための機械で、部屋の一酸化炭素の濃度が一定量に達するとアラームで知らせてくれます。
家にこのディテクターがなければ、大家に購入&設置してもらうことをおすすめします。(値段は15ポンド程度で、壁に穴を開ける必要のない製品もあります)
3-3 もしもの時の海外保険
長期滞在の際にはイギリスNHSの医療が受けられるので、保険には入らなくても大丈夫!と考える方もいるかもしれませんが、海外保険というのは、空き巣やスリの被害にあった時や滞在先で家にダメージを与えてしまった時(例えばお風呂のお湯の止め忘れで下の階まで水浸しなど)などの不測の事態が起こった時にも使えるものです。
高額な保険が多いので入りたくない気持ちもわかりますが、備えあれば憂いなしで、イギリスでの生活を安心して楽しめるよう加入しておくのがおすすめです。
すでにイギリスにいて日本で保険に入ってこなかった方は、イギリスでテナント専用の保険にも入ることもできます。参考サイト:homelet.co.uk
4. 家探しの手順

さて、ここまで全部読んでいただいた方、お疲れさまでした。
ロンドンでの家探しや共同生活がどのような感じで、何に注意したら良いのかなども大体わかっていただけたのではないかと思います。
早速、具体的な家探しの手順を紹介していきます。是非参考にしてみてください。
4-1 家探しは日本でする?それとも渡英後?
日本でこれを読んでいる方の中には、日本にいる間に住む家を見つけていった方が良いのか、それとも、渡英してから見つけた方が良いのかで悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
以下、それぞれの利点や難点を考えてみました。
日本で渡英後の住居を決める場合
- 渡英&入居後すぐに諸々の手続きができる
(GP登録やNIナンバー、在留届の提出など) - 渡英前に実際に物件を見れない
(ビデオ内見は可能かも?)
渡英してから住居を決める場合
- 実際に内見して細かいチェックができる
- 決まるまではホテルなどでの仮住まい
- 住所がないので諸手続きができない
(GP登録やNIナンバー、在留届の提出など)
いかがでしょうか?
日本にいるうちに住む家を決めておけば渡英への不安は一つ減りますが、住む家は実際に自分の目で確かめたいという方の考えも最もだと思います。
ロンドンのおすすめ宿泊施設の記事では、格安で泊まれるロンドンのホステルやゲストハウスなども紹介しているので、現地での仮住まいを探すときの参考にしてみてください。
4-2 物件の希望条件は?
これからロンドンの生活拠点となる住居には、様々な希望や譲れない条件があると思いますが、全ての条件を満たす物件を探すのは困難なので、あらかじめ「何を優先するのか」を事前に決めておくと家探しがしやすいと思います。
以下、様々な家の希望や条件を考えてみたので、何を優先させたいのかを考える際に参考にしてみてください。
- 家賃(月、最高いくらまで払える?)
- 学校や職場の近く(交通費の節約)
- バスタブあり(シャワーだけは嫌)
- バス・トイレは別
- バスルーム付の部屋
- バス停、駅が近い(徒歩何分以内?)
- 中心地までの距離・時間
- 庭付き
- 同居人は日本人(性別?)
- 同居人は外国人(性別?)
- 大家同居
- 大家とは別居
- 服の乾燥機あり(部屋干しは嫌)
- 土足厳禁の家
- 一軒家シェア
- フラットシェア
- スタジオフラット
4-3 オンラインで物件探し
ロンドンには不動産会社や仲介業者を通して物件を紹介してもらうこともありますが、ほとんどのシェア物件はオンラインサイトを通じて物件を見つけることが出来ます。
シェア物件の広告ページには様々な専門用語が出てくるので、以下の用語リストを参考にしながら探してみましょう。
物件情報で見かける用語
- Double room
ダブルベッドのある一人部屋 - Single room
シングルベッドの一人部屋 - Shared room
2人以上でシェアする部屋 - En Suite
自分専用バスルーム付きの部屋 - Rent
借りる・家賃の意味 - pw
一週間につき、の意味(per weekの略) - pcm
一ヶ月につき、の意味(per calendar monthの略) - Bill
光熱費 - Council Tax
住民税 - TV Licence
テレビの受信料(2020年度は一世帯£157.50/一年) - All inclusive
BillやCouncil tax, TV Licenceなどが全て家賃に込み - Deposit
敷金 - Landlord
大家 - Live-in landlord
大家同居 - Live-out landlord
大家非同居 - Communal area
共有スペース - Viewing
内見
イギリスの物件探しサイト一覧
物件を探す際にロンドンで人気のサイトは以下となります。
- MixB London
在ロンドン日本人コミュニティサイト(日本人と同居したい人向け) - Spareroom.co.uk
現地で人気のシェア物件サイト - gumtree.com
現地のコミュニティサイト - Zoopla
イギリスの大手人気物件サイト。現地不動産会社仲介の物件が多い。 - Rightmove
Zooplaと競合する大手人気物件サイト。現地不動産会社仲介の物件が多い。
4-4 連絡と内見日の決定
良い物件を見つけたらすぐに内見希望の連絡を取りましょう。
物件によっては「連絡する際に必ず明記してほしいこと」が募集内容に記されていることがあるので、連絡の際にはそれを必ず添えることと、質問があれば同時に書いておくと良いと思います。
大家側は出来る限り信頼できそうなテナント(入居者)を求めるため、連絡をする段階から失礼のないよう心掛けたいものです。
内見日が決まったら物件の住所や連絡先を確認し、当日の交通ルートもチェックしておきましょう。googleマップのストリートビュー機能で物件の周辺を事前に散策しておくのもおすすめです。
日本から家を探す際には実際に家を見ることができない為、ビデオ内見が出来るかお願いしてみるのが良いかも知れません。ビデオ内見が無理な場合には、気になる箇所の写真を数枚送ってもらうようにしましょう。写真もビデオ内見も一切対応してもらえない場合は、ご縁のない物件と捉えた方が良いかも知れません。
4-5 内見当日とチェックリスト
内見当日は、近所の様子を見るためにも現地には早めに到着しておくのがおすすめです。
家の中を見る際には、確認しておきたいことや質問などを事前にまとめておくとスムーズです。
以下に、内見時に確認したいことのアイデアを挙げておきますので参考にしてみてください。
内見時のチェックリスト
- 防犯・安全性(ドアの鍵、窓など)
- 冷蔵庫の大きさ(何人でシェア?)
- 部屋の備品
- フラットメイト(生活スタイル、学生、社会人かなど)
- キッチンの設備
- 家のルール(掃除当番、ゴミ出しなど)
内見のコツは、チェックするところはしっかりチェックする一方、自分がそこに住んでいるのを想像してみること。
内見時に入居決定は告げない
内見してその物件が気に入り、他にも内見予定者のいる人気物件だとその時点ですぐに入居を決めたくなりますが、入居決定は、内見後に詳細をメールで確認、納得した後に伝えるのがおすすめです。
他にも入居希望者がいる場合には大家にうまく交渉する必要があるかもしれませんが、少なくともいつまでに返事をするのかは内見時に伝えておきましょう。
4-6 詳細確認と入居確定
繰り返しとなりますが、入居を決定する前に、大家と確認しておきたい契約詳細や内見時に聞き逃したことがあればメールで確認しておきましょう。メールは記録として残るので、入居後のトラブルを避けるという意味でも有効です。(契約書類がない場合は特に大事!)
思い浮かんだ「入居決定前の確認事項」を挙げておくのでご参考にどうぞ。
最終確認のチェックリスト
- 家賃(支払い方法、支払日)
- レントに含まれるもの
- デポジットの額
- 退去時のデポジット返却について
- 退去報告はいつまでにするのか
- 洗濯機などの故障時
(修理の手配や支払いの責任は?)
入居する意思を伝え入居日が確定したら、鍵の受け渡しや入居日当日の事を確認するとともに「デポジット」や「レント」(通常前払い)の支払いを済ませましょう。
あとは入居の日を待つばかり!
4-7 入居日
ついに入居日。新生活の始まりでワクワクしますが、入居後は荷ほどき、フラットメイトへの挨拶、食料の調達など、2~3日の間は新生活の準備に追われるかもしれませんね。
入居直後には大家との「インベントリーチェック」があることも一般的です。
この「インベントリーチェック」とは、借りる部屋の備品や状態をチェックするもので、退去時にはこのインベントリーチェックを参考にデポジットの返却が行われます。
大家によってはこのチェックを行わないこともありますが、その場合には自分で備品をチェックし、必要だと思えば写真を撮っておくと良いかも知れません。レンタカーを借りる時と似ていますね。
退去時にデポジットで揉めることがないよう、インベントリーチェックは荷ほどき前に済ませておきましょう。
住所が定まったら手続きしておきたい、在留届の提出やGPの登録なども忘れずに!
渡英後にやっておきたいかもしれない手続きをまとめた記事もご参考にどうぞ。
5. 最後に
伝えたいことが多すぎてかなりボリュームのある記事となってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
言語も文化も異なるロンドンでの生活は大きなチャレンジの繰り返しです。
上手くいかないことが続いて自己嫌悪になったり、せっかく出会えた仲間との別れがあったりと、どうしても気持ちが弱ってしまうことも多々あります。
そんな時に、気が休まり落ち着ける住居や同居者がいるといいですよね。
現地で自分のやりたいことや目標を達成する為にも、このページが参考になり、居心地の良い住居が見つかることを願っています!
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