大英博物館の見どころ14選【入場無料】

この記事では、イギリスを代表する観光地である「大英博物館」の見どころや、訪問する際に知っておきたい基本情報を紹介しています。
1. 大英博物館とは?

開館:1759年
英語表記:British Museum
大英博物館は、世界中のさまざまな文化や時代にわたる膨大な数の美術品や考古学的な遺物を所蔵しているミュージアムで、その卓越したコレクションと歴史的な価値から、学者や観光客の間で非常に人気があります。
所蔵のコレクションには、ロゼッタ・ストーンやエジプトのミイラ、ギリシャの彫刻、ローマの遺物の他、中国、日本、インド、アフリカ、アメリカなど、世界中の異なる文化に焦点を当てたコレクションも充実しています。
定期的に期間限定のエキシビションも行われ、世界的に有名な芸術家やテーマに焦点を当てた展示が開催されています。
大英博物館の常設コレクションは無料で一般公開されており、観光客が手軽に訪れることができます。
2. 館内の見どころ14選

この項目では、大英博物館で見ておきたい注目の常設展示物を14点紹介しています。
一度の訪問で全ての展示ギャラリーを回ることはほぼ不可能と言えるほど館内は広く、展示物も多いため、ここで紹介する見どころの展示物や公式サイトにある館内マップを参考にして事前に見学ルートを決めておくのがおすすめです。
グレートコートには案内所があり、日本語のオーディオガイドやガイドブックが入手できます。
・リーディングルーム(グレートコート)
・いばらの冠のレリクアリー(Room 2a)
・ロゼッタストーン(Room 4)
・守護獣神ラマッスの像(Room 6)
・アッシリア:ライオン狩りのレリーフ(Room 10a)
・パルテノン神殿の彫刻の数々(Room 18)
・イースター島のモアイ像(Room 24)
・シヴァ神 ナタラージャ(Room 33a)
・女神官ヘヌトメヒトの棺(Room 62, 63)
・ゲベレイン・マン(ミイラ)(Room 64)
・ウル王朝のボードゲーム(Room 56)
・オクサスの遺宝:黄金のシャリオット(Room 52)
・ルイス島のチェス駒(Room 40)
・ポートランドの壺(Room 70)
リーディングルーム
場所:Level 0 / グレートコート
英語表記:Reading Room
オープン:1857年5月2日
大英博物館のリーディングルームは、カール・マルクスやレーニン、およびブラム・ストーカーやアーサー・コナン・ドイル、チャールズ・ディケンズなどが利用していたことで有名なドーム型で円形の閲覧室です。部屋の直径は42.6メートルあります。
1857年に博物館の中庭に建設されたリーディンルームは、現在、見事なガラスの屋根で覆われたグレートコート(再設計&工事の後2000年12月にオープン)の中央にあります。
いばらの冠のレリクアリー
展示場所:Level 0 / Room 2a(ロスチャイルド家の財宝)
英語表記:The Holy Thorn Reliquary
年代:1390年頃(パリ)
キリストが磔刑の前に頭にかぶっていたいばらの冠から取られたとされる一本の棘を収めるために作られた聖遺物箱(レリクアリー)。
エナメル加工された金やルビー、真珠、サファイアなどの宝石、キリストや聖母マリア、聖ヨハネの像をはじめとする浮き彫りなどで装飾された豪華な作品。
ロゼッタストーン
展示場所:Level 0 / Room4(古代エジプトの彫刻)
英語表記:The Rosetta Stone
サイズ:縦114.4 cm、横72.3 cm、厚さ27.9 cm、重量760 kg
言わずと知れた、ヒエログリフなどの古代エジプトの文字解読の手掛かりとなった石。
エジプトのロゼッタで1799年にナポレオン率いるフランスのエジプト遠征軍の大尉により発見された石柱で、 紀元前196年にプトレマイオス5世の頌徳碑として造られた石碑の一部である(後にフランスに勝利したイギリスが没収し大英博物館に収蔵)。
ロゼッタストーンには3つの異なる文字が記されており、一番上にはヒエログリフ、真ん中にはデモティック、そして一番下には古代ギリシャ文字が書かれている。
守護獣神ラマッスの像
展示場所:Level 0 / Room6(中東、アッシリア)
英語表記:Colossal statue of a winged lion
年代:883-859 BC
新アッシリア帝国の王であったアッシュル・ナツィルパル2世(紀元前883年から859年)の王宮(ニムルド)の玉座の間の入口に配置されていた『巨大な翼と人の頭を持つ獅子』の守護獣神ラマッス像2体。
アッシリア:ライオン狩りのレリーフ
展示場所:Level 0 / Room 10a(中東、アッシリア)
英語表記:Assyria: Lion Hunts
年代:645 – 635 BC
新アッシリア帝国の黄金期最後の王である『アッシュルバニパル』のライオン刈りの様子を描いた浮彫。アッシリア美術の最高傑作の一つとされる。
古代アッシリアでは、ライオン狩りは王のスポーツとされており、支配者の君主が民を守り戦う義務を象徴していた。
パルテノン神殿の彫刻の数々
展示場所:Level 0 / Room 18(ギリシャ、パルテノン)
英語表記:Parthenon sculptures
年代:438 BC
白大理石が使用されたパルテノン神殿に飾られていた装飾の数々は、英軍将校で外交官でもあったエルギン卿が19世紀初めにイギリスに持ち帰ったもので、1816年にイギリス政府が買い取り、大英博物館が保管・展示している。(英国内では「エルギン・マーブル」の名で知られる)
ギリシャは長年にわたりこれら彫刻の返還を求め続けていますが、返還に関するイギリス政府との交渉は平行線を辿っています。
イースター島のモアイ像
展示場所:Level 0 / Room 24(生と死、Living and Dying)
英語表記:Easter Island statue Hoa Hakananai’a
サイズ:高さ2.4メートル、重さ4.2トン
展示されているモアイ像は、現地語で「失われた友」を意味する「ホア・ハカナナイア」と呼ばれる。
1100年~1600年の間にイースター島に建てられた887体のモアイ像のうち、玄武岩で造られた「ホア・ハカナナイア」は、大英博物館にあるものを含めて全部で14体あるとされる。
1868年に英国海軍がイースター島から無許可で持ち帰ったとし、イースター島の代表団は返還を求めている。
シヴァ神 ナタラージャ
展示場所:Level 1 /Room 33a(インド、アマラバティ)
英語表記:Shiva Nataraja, Lord of the Dance
年代:1100年頃
創造と破壊のダンス。右足の下にいるのは無知の悪魔。
ナタラージャとは、インド神話シヴァ神の異名、またはその像のこと。
シヴァの活動は強く激しく宇宙の律動とつながって作用すると言われ、ナタラージャはそれを象徴的に表現したもの。シヴァのダンスには108のポーズがあり、それらは9つの型に分類される。各型はいづれも、宇宙の創造、維持、破壊、幻惑、解放を象徴するものである。(出典:ブリタニカ国際大百科事典)
女神官ヘヌトメヒトの棺
展示場所:Level 3 / Room 62, 63(古代エジプト、死とその後、ミイラ)
英語表記:The coffin of Henutmehyt
ヘヌトメヒトとは、1250BC頃の古代エジプト都市テーベの女神官のこと。
棺にはふんだんに金箔が施されており、ヘヌトメヒトがいかに裕福だったのかがわかる。
ゲベレイン・マン(ミイラ)
展示場所:Level 3 / Room 64(エジプト)
英語表記:Gebelein man
年代:3400 BC
紀元前3500年頃(もしくはそれ以前)にエジプトのゲベレインで発見された、古代エジプトの中で最も保存状態の良いミイラのうちの一体。熱く乾燥した砂によって自然にミイラ化したとされる。
CTスキャンにより、ゲベレイン・マンの死亡した当時の推定年齢は18歳~21歳で、背中を刺されて死亡したことが判明している。
頭部に残っていた髪が赤毛だったことから以前は、通称「ジンジャー」と呼ばれていたことがある。
ウル王朝のボードゲーム
展示場所:Level 3 / Room 56(中東、メソポタミア6000–1500 BC)
英語表記:The Royal Game of Ur
制作時期:2600BC-2400BC
駒とサイコロを使って対戦する2人用の古代メソポタミアのゲーム。
展示されているのは、イギリスの考古学者レオナード・ウーリーによるウルの王墓発掘調査で発見されたいくつかの同ゲームセットのうちの一つ。
グレートコートのお土産ショップでは、このゲームのレプリカが販売されている。
オクサスの遺宝:黄金のシャリオット
展示場所:Room 52(中東、古代イラン)
英語表記:Oxus Treasure
年代:5 BC頃
アケメネス朝ペルシア時代のオクサスのオクサスの遺宝は、金属工芸品約180点と約200枚のコインからなるコレクションで、1877年から1880年ごろにオクサス川(アムダリヤ川)で発見された。
大英博物館は現存する金属工芸品のほぼすべてを所蔵しており、中でも精巧な黄金のシャリオットに注目。小さい作品が多い。
ルイス島のチェス駒
展示場所:Level 3 / Room 40(中世 1050–1500)
英語表記:The Lewis Chessmen
年代:1150-1200頃
セイウチの牙から作られた世界最古のチェス駒で、映画「ハリー・ポッターと賢者の石」で登場することでも知られている。
グレートコートにあるお土産ショップでは、レプリカのチェスセットが入手できる。
ポートランドの壺
展示場所:Room 70(ローマ帝国)
英語表記:The Portland Vase
年代:5-25 AD
古代ローマ時代に制作されたカメオ・ガラスの最高傑作とされる壺。
1845年に博物館を訪れた一般客により壊されてしまった歴史があり、現在は修復された壺が展示されている。よく見るとつなぎ合わせた跡が確認できるかもしれない。
3. 入場予約やアクセスについて

大英博物館は、地下鉄トッテナムコートロード駅から徒歩5分の場所にあります。
博物館は入場無料ですが長蛇の列ができることがあるため、事前に日時指定の無料入館チケットを公式サイトより予約することをおすすめします。
2024年7月時点、予約済みの場合は建物正面より入場し、予約のない入館希望者は建物裏(モンタギュー・プレイス通り)にある入口から入場するようになっていました。*予約済みであっても手荷物検査があるため列に並ぶ必要があります。キャリーケースの持ち込みはできないのでご注意ください。
人気の有料エキシビションはソールドアウトとなることもあるため、事前のチケット予約がおすすめです。
【最寄り駅】
- トッテナムコートロード駅(セントラル、ノーザーンライン)
- ホルボーン駅(セントラル、ピカデリーライン)
- ラッセルスクエアー駅(ピカデリーライン)
- グッジストリート駅(ノーザーンライン)