プラチナジュビリーとは?祝賀イベントも紹介【在位70周年】
2022年、イギリスは歴史的なプラチナジュビリーで盛り上がります!
この記事では「プラチナジュビリーとは一体何なのか?」を解説すると共に、お祝いの主役である「エリザベス女王について」や「英国内で行われる祝賀行事の数々」も紹介しています。
歴史に残る一大イベントに要注目!
1. プラチナジュビリーとは?
プラチナ・ジュビリー (Platinum Jubilee)とは、エリザベス女王在位70周年を祝う歴史的な記念イベントのこと。
在位60周年となった2012年には「ダイアモンド・ジュビリー」が開催され、なんとなくその様子覚えている方も多いのではないでしょうか?
あれから10年。
プラチナジュビリーを迎えられるのはイギリスの歴史史上、エリザベス女王が初。
(次に在位が長いのはヴィクトリア女王で63年216日)
そんな大きな記念の年となるイギリスでは、ジュビリー記念の祝日が加わり6月はじめに4連休となります。
メインの祝賀行事はこの4連休中に行われますが、1年を通して様々なプラチナジュビリー・イベントが英国全土に加えコモンウェルスの国々でも開催されるとのこと。
プラチナジュビリーの特別記念グッズも続々と登場。
例えば…
- 英国造幣局 Royal Mint公式の記念コイン各種
- 英国郵便事業 Royal Mail公式の記念切手各種
- フォートナム&メイソン Platinum Jubilee Collection
次の項目では、お祝いの主役である「エリザベス女王」についてご紹介。
2. エリザベス女王ってどんな方?
ここからは、2022年にプラチナジュビリーの大きな節目を迎えられるエリザベス女王について紹介させていただきます。
・名前:エリザベス・アレクサンドラ・メアリー
・生年月日:1926年4月21日
・即位:1952年2月6日
・戴冠式:1953年6月2日(ウェストミンスター寺院)
・父:ジョージ6世
・母:エリザベス・ボーズ=ライアン
・夫:故・エディンバラ公爵(フィリップ殿下)
・子:1. チャールズ王子、2. アン王女、3. アンドリュー王子、4. エドワード王子
・ペット:ウェルシュ・コーギー
エリザベス女王は、映画「英国王のスピーチ」でも知られる前イギリス国王ジョージ6世のご長女として誕生されました。
女王に即位されたのは25歳の頃。
この頃すでにフィリップ殿下とはご結婚されていて、チャールズ王子とアン王女がいらっしゃいました。
フィリップ殿下は女王が13歳の頃に恋に落ちたお相手で、以来文通を通じて仲を深められ女王が21歳の時にご婚約されたのだとか。
在位70年の歴史はやはりすごい
即位されてから70年の間、エリザベス女王国家元首のもと英国首相を務めてきたのはなんと14名!
以下、その中の数名↓
- ウィンストン・チャーチル (1951-1955)
- マーガレット・サッチャー(1979-1990)
- トニー・ブレア (1997-2007)
- ボリス・ジョンソン (2019~2022)
ウィンストン・チャーチルの時代にすでに女王であられたとは…エリザベス女王のお年を一気に実感できますね。
世界の注目を集め続ける英国王室
故・ダイアナ妃やチャールズ皇太子、カミラ夫人、最近ではハリー王子とメガン妃、そしてアンドリュー王子の一件など、様々なスキャンダルで世界の注目を浴びることが多い英国王室。
その度に、大変なご苦労をされたであろうエリザベス女王。
2021年4月には最愛のフィリップ殿下がご逝去され、その後、体調不良からご公務を休まれる期間もありました。
2021年12月25日に全国民へ向け放送された毎年恒例のクリスマスのスピーチの中では、フィリップ殿下への追悼メッセージもあり、妻として亡き夫への想いを語られた貴重な機会となりました。(このクリスマス・スピーチはBBC Japanの記事にて全日本語訳された映像が見れます)
2022年4月に96歳を迎えられたエリザベス女王。
世界中からプラチナジュビリーの祝福を受け、今後もお元気な姿を見せて頂きたいですね。
さて、次の項目からは2022年を通して行われる祝賀行事の数々を一挙ご紹介!
3. プラチナジュビリーの祝賀行事一覧
ここからは、英国内で開催予定のプラチナジュビリーのイベントを紹介します!
6月のメイン祝賀イベント
お祝いの為の祝日が加わり4連休となる…
「2022年6月2日(木)から6月5日(日)」
はThe Queen’s Platinum Jubilee Central Weekendと呼ばれ、女王在位70周年のプラチナジュビリーを盛大に祝う特別な週末となります。
・2日:女王のバースデーパレード
・2日:プラチナジュビリー・ビーコンズ
・3日:サービス・オブ・サンクスギビング
・4日:エプソム・ダービー
・5日:ビッグ・ジュビリー・ランチ
・5日:プラチナジュビリー・ページェント
2日:The Queen’s Birthday Parade
毎年6月の第2土曜に開催されるエリザベス女王の誕生日を公式に祝うパレード – トゥルーピング・ザ・カラー。
今年はプラチナジュビリーであることから6月2日の木曜に開催!
王室メンバーや近衛兵などの総勢1400人、200頭の馬、軍楽隊などがパレードに参加し、パレード後にはバッキンガム宮殿のバルコニーに勢揃いされるロイヤルファミリー、Red Arrowsを始めとするロイヤルエアフォースによるフライパストもあり見どころ盛り沢山です。
詳しくはトゥルーピング・ザ・カラーのガイド記事 をご参考にどうぞ!
例年、主役である女王は馬車に乗りバッキンガム宮殿からホースガードパレードに向かわれますが、今年は宮殿にて式の様子を楽しまれることに。フライパストの際にはその他の王室メンバーと共にバルコニーに出られるとのこと。
2日:Platinum Jubilee Beacons
王室のジュビリー祝賀行事や戴冠式、結婚式などがある時に行われる伝統行事の一つが「ビーコン」(かがり火)。
プラチナジュビリーでは1500以上のビーコンが英国全土、加えてコモンウェルスの国々でも灯されるのだとか。
バッキンガム宮殿前の通り「The Mall」のビーコンは21:45に点火。
加えて、クイーンズ・グリーン・キャノピーのバッキンガム宮殿前に設置された木のスカルプチャー「Tree of Trees」も点灯されるとのこと。
3日:Service of Thanksgiving
プラチナジュビリーを祝う特別礼拝がセントポール大聖堂にて開催。
こちらもロイヤルジュビリーの年に行われる伝統行事で通常は女王もご出席されますが、このところ歩行が少し困難な様子のため、ご参列されるかは開催間近に判断されるとのこと。
礼拝前の午前11時には、セント・ポール大聖堂の鐘(グレート・ポール)が鳴る模様(ロイヤルイベントとしては初めてのこと)。
礼拝は11:30amに始まり約45分間続く模様。
4日:The Derby at Epsom Downs
ロンドン郊外南西部にあるエプソム競馬場で開催されるエプソム・ダービー。
競馬好きなエリザベス女王が、即位以来ほぼ毎年訪れているというこのイベントはもはや王室の伝統行事!
ですが、今年は体調への懸念から、女王は参加されないとのこと。
(その他のロイヤルファミリーは参加)
4日:Platinum Party at the Palace
バッキンガム宮殿でのライブコンサートが開催。
さすがは豪華なラインナップ!↓
このコンサートのチケット抽選はすでに終了しています。
セント・ジェームズ・パークの大型スクリーンやザ・マルは、チケットの無い一般向けエリアとなるようです。詳しくはこのPDF公式マップを参照。
コンサートの様子は4日7:30pmよりBBC Oneで生中継とのこと。
BBC iPlayer – Platinum Party at the Palace (UK国内で視聴可)
5日:The Big Jubilee Lunch
英国全土の多くの通りや自宅庭などがパーティ会場に衣替え!
ご近所さんや家族、友人が飲み物や食べ物を持ち寄り、一堂にグラスを掲げプラチナジュビリーをお祝いします。
The Big Jubilee Lunch (Street party)の開催場所は公式サイトで検索!
5日:The Platinum Jubilee Pageant
Pageantとは、日本語訳を調べると「時代衣装などをつけた壮麗な行列」「華やかな見もの」「祭の仮装行列」とのこと。
(日本では「ページェント」と表記されることが多いようですが、実際の発音は「パジェント」に近いようです。ここではページェントと表記します)
このジュビリー・ページェントには1750人の軍人、200頭の馬、6500名のパフォーマーが参加するのだとか。
ページェントは以下4つのパートから構成。
- For Queen and Country
- The Time of Our Lives
- Let’s Celebrate
- Happy and Glorious
バッキンガム宮殿前の赤い道路「マル」を中心に開催され、ダンサーやミュージシャン、キーワーカー、ボランティアなどが参加するとされていて、オリンピックのオープニングセレモニーのように全世界が注目するイベントになるだろうとのこと。
エド・シーランやケイト・モス、ウェストエンドのマンマ・ミーアのキャストなども登場する様子。
その他、200のシルク旗が川の様になびく「River of Hope」が登場。
これらのシルク旗には子供たちの「希望」や「今後70年の地球への想い」が描かれる予定なのだとか。
当日のルートや観覧について
ページェントは「ホワイトホール通り」から始まりアドミラルティアーチ、バッキンガム宮殿に向かうとのこと。
- 開催時間は14:30~17:00
- ルート:ホワイトホール → アドミラルティーアーチ → バッキンガム宮殿
- 一般観覧エリアはホワイトホールとザ・マル
ルートや大型スクリーン、トイレ、観覧場所など↓
(高画質マップはJubilee Pageant公式のこのPDFページへ)
当日は非常に込み合うので、観覧希望の方は何時間も前に場所取りが必要になるかと思います。
TfL ジャーニープランナーやCitymapperなどでの交通情報も要チェック!
その他のプラチナジュビリーイベントも!
Platinum Pudding Competition
「プラチナ・プディング・コンペティション」とは、エリザベス女王に捧げるオリジナル・デザートを競うコンペの事。
イギリス在住の8歳以上なら誰でも参加でき、優勝するとそのレシピはThe Big Jubilee Lunchで振る舞われることに!
このコンペのスケジュールは以下
- 募集開始(1月10日)
- 募集締め切り(2月4日)
- 審査ラウンド1 (2月2週目)
- 審査ラウンド2 (2月3週目)
- 審査ラウンド3 (2月4週目)TOP5名決定
- ファイナル (3月3週目)
- Winnerの発表(5月中旬)
The Queen’s Green Canopy
The Queen’s Green Canopyとは、2023年3月まで行われる「植林プロジェクト」のこと。
このプロジェクトでは植林された一つ一つの木がデジタルマップに記録され、プラチナジュビリーの一年が終わる頃にエリザベス女王に披露されるのだとか。
この他、英国の歴史遺産として貴重な古木や森林の保護活動もプロジェクトの一環だそうで、植林スキルなどを若者へ教える特別なトレーニング・プログラムが行われるとのこと。
バッキンガム宮殿の正面スペースには、6月のジュビリーウィークエンドまでに高さ21メートルの木のスカルプチャー「Tree of Trees」が登場!
このスカルプチャーは、英国原産の350種類の木の鉢植えから成る作品なのだそうで公開が楽しみです。
The Queen’s Green Canopy公式サイトへ
Royal Collection Trust
2022年7月からは英国内3カ所の宮殿にて特別展示が開催されます。
まず一つ目は、毎年夏に開催されるバッキンガム宮殿のステイトルームツアーでの特別展示。
プラチナジュビリーの2022年のツアーでは、1953年から1956年の間にイギリス王室の肖像フォトグラファーであったドロシー・ワイルディングによって撮影された「エリザベス女王の肖像写真」や「エリザベス女王のジュエリー」が特別展示されるとのこと。
2つ目は、ウィンザー城。
1953年6月の戴冠式で女王が着用されたドレスやローブが特別展示。
最後は、スコットランドのエディンバラにあるホリールード宮殿での特別展示。
シルバー(在位25周年)、ゴールデン(在位50周年)、ダイアモンド(在位60周年)の各ジュビリーにて着用された服が展示されるとのこと。
The Queen’s Private Estates
エリザベス女王所有の「サンドリンガム・エステート」や「バルモラル城」でも地元住民やビジターが楽しめるイベントが開催されるとのこと。
最新情報は↓各公式サイトをチェック!
The Platinum Jubilee Celebration
2022年5月12日から15日の4日間に渡りウィンザーで開催される祝賀イベント。
イベント詳細やチケットの予約はPlatinum Jubilee Celebration公式サイトへ。
最後に
ここ数年、EU離脱やコロナウイルス、緊迫する世界情勢によるインフレなど度重なるチャレンジが続いていますが、このプラチナジュビリーによりイギリスだけでなく、世界が少しでも活気づき、希望ある未来が訪れることを願いたいですね。
日本からこの記事を読まれている皆様、コロナが落ち着いたら海外旅行は是非、イギリスへ!