ロンドンで盗難・病気・事故・テロ【対策と対処法】スマホのスリ要注意

スマホ盗難に遭う人が後を絶たないロンドン。
その他、慣れないイギリス滞在中には体調不良や事故、紛失、災害やテロなどの不測の事態が生じることは、ありえなくはないこと。
この記事では、そんな「もしもの時」への備えや対処方法を紹介しています。
「備えあれば憂いなし」
1. ロンドンで体調不良、事故に遭ったら

- バス乗車時に急ブレーキで怪我をする
- 突然の雨や気温の変化で体調を崩す
- 高熱でダウン
- 食中毒にかかる
- 熱中症になる
- 交通事故にあう
知らない英国の地でこんなことが起こったらどうしますか?
そんな時に知っておきたいあれこれを次の順で紹介。
渡英前の準備
どんなに注意していても不運な事故や体調不良は起こるもの。
でも出発前にできる限りの準備をしておけば、その後の対処も変わってくるはず。
- 日本の飲みなれた常備薬を持っていく
- 持病がある人は病状詳細の英語メモを作っておく
- 海外傷害保険に加入する
- クレジットカード付帯の保険内容の確認
*せっかく保険を持っているのに、いざという時になったら使い方が分からない!なんてことにならないように、利用方法や保険会社への連絡先などについては渡英前にしっかりと確認しておくことが大切。
現地の薬局を利用する

病院へ行くほどでもないが、鎮痛剤や消毒液、絆創膏などがほしいと言った時に便利な薬局。
イギリスの大手薬局には「Boots 」や「Superdrug」があり、ハイストリートやショッピングモールで見つかります。最寄りの薬局を探す際は、「Pharmacy near me」と検索してみましょう。
多くの薬局には「Pharmacyカウンター」があり薬剤師が常駐しています。ここでは薬を購入するだけでなく、症状や薬に関する相談もできます。
店内には薬だけでなく紙おむつや離乳食などの赤ちゃんの必需品に加え、旅行中に便利な除菌ジェルやヘアードライヤー、生理用品、サングラス、日焼け止めなども見つかります。
【薬局でのお役立ち英語】
Excuse me. Where can I find ~?:すみません、~ はどこですか?
- 除菌ジェル:Anti Bacterial Gel(アンティ・バクテリアル・ジェル)
- 鎮痛剤:Painkillers(ペインキラーズ)
- 絆創膏:Plasters(プラスターズ)
- 消毒液:Antiseptic Liquid(アンティセプティック・リクイド)
- ガーゼや包帯等:Wound dressings(ウーンドゥ・ドレッスィングス)
- 目薬:Eye drops(アイ・ドロップス)
- 生理用品:Sanitary pads(サニタリー・パッズ)または Period products(ピリオド・プロダクツ)
- 日焼け止め:Sun Cream(サン・クリーム)
英国の国民医療サービスNHSの利用
イギリスの国民医療サービスは、ビザを取得して英国に入国した方であれば、英国民と同じ無料の医療サービスを受けることができます。
利用の際は、日本語の通訳をつけることが可能な場合もあるため、英語での受診が不安と感じる方も必要だと思った時には利用してみましょう。
英国医療サービスNHSの詳細は、別記事のGP登録の手順やNHSの医療サービスを解説を参考にしてみてください。
観光などでイギリスに短期間滞在する場合でもNHSの利用はできますが、有料(全額自己負担)となるため、渡英前に海外旅行保険に加入してくることをおすすめします。
海外旅行保険があれば、次で紹介する日系の個人病院が「キャッシュレス」で利用でき安心です。
ロンドン市内の日系病院リスト
ロンドン市内には日系の病院が5か所にあり、日本語で予約でき、日本人医師による診察が受けられます。
日本でキャッシュレス対応の海外旅行保険に加入していれば、治療代の建て替えや保険請求をする手間がなく便利です。
以下、ロンドンの東西南北エリア別に日系病院を紹介します。
2. 滞在中の紛失や盗難の被害

日本は世界一安全な国とは良く言われることですが、これは本当の話。
イギリスではカフェやレストランで貴重品を置いてトイレに行くなどするのは厳禁です。
また、ロンドン中心部や観光地にはスリが多いので用心しましょう!
プロのスリにご用心
オックスフォード・サーカスやコヴェントガーデン、ウェストミンスター宮殿周辺など、観光スポットが多く集まるウェストミンスター地区は、スマホのスリ被害が特に多いエリアです。
2022年のデータによると、ロンドン市内では1日平均248台ものスマホが盗まれ、うち、手元に戻ってきたのはわずか2%とのこと。
スマホだけでなく、バッグから財布などを抜きとる定番のスリにも気を付けたいところです。
中には、ナイフでバッグを切られ盗まれたという話も聞いたことがあるので要注意。
案外怪しくなさそうな人が実はスリで、チームで計画的に犯行を行うことが多い様子。
筆者が考える被害防止策↓
- あたかもその土地の人かのように堂々と歩く
- 知らない外国人からフレンドリーに話しかけられたら用心
- 「ちょっとおかしいかも」の直感には従った方がベター
- 身なりや年齢、職、経歴などの安心を感じやすい要素に安心しない
- スマホや財布を入れる場所を決めておき気を配る
- バッグは体の前にかける
- 冬であればバッグはコートの下にかける
- スマホのロック、アプリのセキュリティ、端末の追跡機能などの設定を見直しておく
ロンドンを管轄するメトロポリタン・ポリスによると、スマホの端末の「IMEIナンバー」を端末以外の場所に控えておくと良いのだとか。紛失、盗難にあった際に必要になるそうです。15桁のIMEIナンバーは「*#06#」と入力すると確認できるはずです。
紛失、盗難に遭ってしまった時の対処法
不運にも紛失、盗難に遭ってしまった時は「早急の対処」をすれば戻ってくる可能性はゼロではないはず。
早く対処すれば、決済カードであれば不正利用や現金の引き出し、スマホであれば個人情報や支払い情報の流出など、さらなる被害を防ぐことにもつながるかもしれません。
以下、紛失・盗難にあった物別の対処法をご紹介。
カードの盗難・紛失の際
クレジットカードなどの支払いカードが無くしてしまった際は、発行会社(又は銀行)に連絡し、即カードの使用を停止。
発行会社や銀行の専用アプリがある場合には、そこから手続き出来ることもあるのでチェックしてみましょう。
どのカード会社にも緊急時のための24時間対応の番号があるはずなので、事前に調べておきどこか安全な場所に控えておくのがおすすめ。
スマホやPCなどを紛失した際
スマホやタブレット、PCなどを紛失、盗難にあった際には、以下、端末ブランドの各ページを参考にしてみましょう。
- Apple: 紛失したり盗まれたした場合(Apple公式ページ)
- Android: 搭載端末を探す(google公式ページ)
同時に、旅行保険などに加入している際には保険会社に連絡しておきましょう。
イギリスの公衆電話の使い方の記事もご参考にどうぞ。
ただ、保険金の請求の際には多くのケースで「紛失証明書」が必要になるはずです。
この「紛失証明書」は、最寄りの交番へ届出を出すことで紛失を証明する「Loss report number」、または盗難に遭ったことを証明する「Crime Report Reference Number」(盗難届出証明書)を入手することができます。
最寄りの警察署は以下のリンクから探せます。
Find a police station (Met Police公式サイト)
パスポートを紛失した際
パスポートを紛失した際は在英国日本国大使館(グーグルマップ)にて…
- 「パスポートの新規発給」または
- 「帰国の為の渡航証」
のどちらかの手続きをすることになります。
各手続きについて
- 「パスポート新規申請」は、申請から5日(土日、休館日除く)以上の滞在猶予がある人向けの手続き。
- 「帰国の為の渡航証申請」は、すぐに帰国しなければならない人向けの手続き。
どちらの手続きであっても、スマホ紛失の所でも触れた「盗難届出証明書」が必要となるので、まずは最寄りの交番に届け出ておきましょう。
Find a police station (Met Police公式サイト)
証明写真が撮れる場所は、Find a photo boothというサイトに郵便番号(例:SW1A 2AA) を入力すると最寄りのお店や証明写真機が見つかります。
その他の必要書類や申請方法などは、この在英日本大使館の旅券のページ (公式)で確認。
3. 災害・テロ発生時の対処について

突然の災害やテロが発生することは、いつ、どこに居ても十分にあり得えること。
最新のイギリス国内のテロ脅威レベルは公式MI5サイトのThreat Levelsのページで確認できます。
ここからは筆者が考えてみた、英国滞在中に起こるかもしれない「災害やテロへの備え」や「起こってしまった時の対処」を次の順で紹介。
在留届&たびレジの登録は必須
3カ月以上滞在する場合は「在留届」、3カ月以内の滞在の場合は「たびレジ」に登録しておきましょう。
これらを届け出ておくことで、在英国日本大使館や外務省から渡航や現地の安全情報、コロナでの規制措置などを知らせるメールを受け取ることができたり、緊急事態が起きた際には迅速な対応や支援が受けられるようになります。
提出はオンラインで簡単!
- 在留届提出ページへ(外務省サイト)
- たびレジ登録ページへ(外務省サイト)
パスポートの更新時や住所変更時など、登録情報の更新もお忘れなく!
水害の危険区域を知っておく
イギリスは日本の様に地震の心配はありませんが、温暖化の影響からか水害の被害は年々ひどくなってきていると感じます。
滞在中はBBCの天気予報などでストームや大雨、水害警報などをチェックするほか、長期滞在者は自分の住むエリアの「浸水や冠水などの水害リスク」を事前に知っておきたいところ。
以下、水害警報や水害リスクエリアがチェックできるサイトを紹介。
- GOV.UK公式の水害警報がチェックできるページ(イングランド対象)
- GOV.UK公式の居住エリアの水害リスクが調べられるページ(イングランド対象)
- NASAによる未来の洪水浸水想定区域を地図上に示してくれるツール
災害やテロが起こった後の情報収集
突然の事態では出来る限りの情報収集をし、どのエリアで何が起こっているのかを把握しておきたいところ。
以下、役立ちそうなサイトやツイッターアカウントなどを置いておきます。
- 在英国日本大使館のサイト
- 在英国日本大使館のツイッター@JAPANinUK、
- 在英国日本大使館のメルマガ
- 英国政府の公式サイト
- 英国首相のツイッター
- BBCニュースのウェブサイト(日本語、英語)
- BBCニュースのツイッター@bbcnewsjapan(日本語)@bbcnews(英語)
安全な避難をするには
もしも自分のいる場所が危険地帯の場合、慌てて飛び出すことはせずに安全なエリアや経路を調べてから落ち着いて避難したいですね。
以下、経路検索に便利なツールを紹介。
- Citymapper
- Google map
- Journey Planner (ロンドン交通社公式)
避難に助けが必要な際には112か999(消防-Fire、救急-Ambulance、警察-Police)に連絡してみましょう。
親族、会社などへの連絡
いざ災害やテロが身近に起きるとパニックになり、連絡しておくべき人も忘れがちかも。
例えば…
- 日本にいる親族や友人
- 勤務先の会社
- 旅行会社
- 添乗員
- 保険会社
安否報告や状況は出来る限り早めに伝えておいた方が良いかも知れません。
在英の日本人と連絡を取る
ロンドンだけでも6万人もの日本人が住んでいます。
困ったことがあればきっと誰かが力になってくれるはず。
在英日本人が集うサイトMixB Londonの他、ツイッターにも多くの在英者がおり最新の情報も手に入りやすいのでおすすめです(筆者も@TanksLondonにいます)。
最後に
観光にイベント盛りだくさんのロンドン滞在。
何も起こってほしくはないし、自分の身にそんな出来事が起こる気もしませんが、突然何が起こってもおかしくないのがこのご時世。
この記事を読んだことをきっかけに、滞在中の安全について今一度考えるきっかけになれば幸いです。