イギリスの通貨やATM、VATなどお金に関する情報を紹介

この記事では、イギリスの通貨、現地の決済事情、ATMの使い方、付加価値税(VAT)など、イギリスに滞在する前に知っておきたいお金にまつわる情報を紹介しています。
1. 英国通貨の種類と読み方を紹介

英国通貨は「ポンド」です。現地では「パウンド」と発音されます。
英国通貨は、度々次の様に表示されます。
- GBP = Great Britain Pound
- Pound Sterling
- 記号:£(ポンド)
- 補助単位:p(ペンス)
硬貨と紙幣の種類
価値の低い硬貨から順に紹介していきます。
ペンス(コイン)

ペンス(pence)と呼ばれるコインは全部で6種類あります。
【硬貨と価格の読み方】
- 一番小さい1pの硬貨は「ペニー (penny)」(単数)と呼ばれ、例えば『1pコイン持ってる?』と聞きたい時に「Do you have a penny?」といった具合に使います。
- 2pから50pまでの硬貨は「ペンス (pence)」(複数形)と言い、「トゥー・ペンス」 「フィフティ・ペンス」と言う代わりに、「ファイブ・ピー」「トゥウェンティ・ピー」と言うことも一般的です。
- 物の値段は「£5.70」のように表示されます。この表示の読み方は「ファイブ・パウンズ・アンド・セブンティ・ペンス」となりますが、省略して「ファイブ・セブンティー」と読まれることも一般的です。
パウンド(硬貨)

パウンド硬貨は2種類あり、1ポンド=100ペンスです。
【価格の読み方】
1ポンドは「One pound(ワン・パウンド)」、2ポンドは「Two pounds(トゥー・パウンズ)」と読み、カジュアルな状況で「パウンド」を「クイッド」とも言うこともあります。
例:Ten quid please.(支払金額は10ポンドになります。)
パウンド(紙幣)

紙幣は、5, 10, 20, 50の全部で4種類あります。
高額紙幣である50ポンド札の流通枚数は、他の紙幣と比べると少ないです。
【紙幣と価格の読み方】
- 紙幣自体は「ノート(note)」と呼ばれ、例えば「5ポンド札持ってるー?」と聞きたい時に「Do you have a five pound note?」のように使えます
- 5ポンド(札)は「ファイバー」、10ポンド(札)は「テナー」とも言われます(カジュアルな言い方)
- 料金表示「£48.98」の読み方は「フォーティーエイト・パウンズ・アンド・ナインティエイト・ペンス」となります。
2. 注意:新紙幣はポリマー製(紙製は使えません)

前項で紹介したように、イギリスには「5, 10, 20, 50」の4種類の紙幣がありますが、近年、全ての紙幣は「紙」から「ポリマー製」へと変わり、2024年時点で全ての紙製の旧紙幣は使用できません。
【ポリマー製へ変更された時期】
- 2017年5月 – 5ポンド札
- 2018年3月 – 10ポンド札
- 2020年2月 – 20ポンド札
- 2021年6月 – 50ポンド札
紙製の紙幣をお持ちの方は、ポリマー製の新紙幣への交換が可能です。
旧紙幣を新紙幣へ交換する方法
すでに使用できなくなった旧紙幣をお持ちの方は、ロンドン市内にある「英国銀行」にて新札への交換が可能です。(英国の銀行口座を持っている場合はその銀行での交換も可能)
ただし時間帯によっては順番待ちの列が長く、1時間ほど待たなければならないこともあるようなので、時間には余裕をもって訪れることをおすすめします。
700ポンド以上の旧札を交換する場合は、身分を証明する書類が2種類必要とのことなのでご注意ください。また、少額であってもパスポートの持参がおすすめです。
3. 英国ではキャッシュレス決済が主流

イギリスの銀行が発行するキャッシュカードには、VisaやMastercardのタッチ決済(イギリスではコンタクトレスと呼ばれている)を備えたものが多く、暗証番号 (PIN) を入力することなく「カードやスマホをタッチするだけの決済方法」がメジャーな決済手段として浸透しています。
ロンドンの街中の95%以上の店舗でキャッシュレス決済ができると言っても過言ではなく、露店やタクシーでの支払いもキャッシュレス済むことがほとんどです。
また、ロンドンの地下鉄やバスではオイスターカード(ICカード)だけでなく、カードやスマホを改札でタッチ(決済)して乗車することも可能です。
イギリスに渡英する際には、タッチ決済機能の付いたVisaやMastercardのクレジットカードやデビットカードを持ってくると便利です。
4. ATM について

イギリスでATMは「Cash point(キャッシュポイン)」や「Cash machine(キャッシュマシーン)」と呼ばれます。
ATM利用上の注意
イギリスのATMには「引き出し手数料無料」と「有料」のものがあるので注意が必要です。上の写真のATMの様に「Free Cash Withdrawals」と書かれたものかどうかを確認してから利用しましょう。
イギリス大手銀行に設置されているATMは、例えその銀行に口座がなかったとしても、そのほとんどが引き出し手数料無料で利用できます。ただし、日本円口座と紐づけされたカードで引き出す際には、必ず為替手数料等の別の手数料がかかります。
渡英して間もない頃は安全面を第一に考え、路上に設置されている機械ではなく「銀行の店舗内に設置されているATM」を利用するのがおすすめです。
ATMの利用方法
英国の大手銀行は、平日午前10時頃から6時ごろまでの営業が多く、土曜の営業時間はこれより短くなります。日曜や祝日の店舗営業はありませんが、路面のATMは利用可能です。
Lloyds(ロイズ)
Barclays(バークレイズ)
Nat West(ナットウェスト)
Santander(サンタンダ―)
HSBC(エイチエスビーシー)
ATMの操作は、画面にある英語の指示に沿って行いますが、英語が苦手な人でも落ち着いて操作すればそれほど難しくはありません。銀行の店舗内にあるATMを利用すれば銀行スタッフのサポートが受けられるはずです。
機械により操作方法が多少異なることもありますが、以下に一般的なATMの操作手順をざっくり紹介しておきます。
ATMの操作手順例
- カードを入れる
- 4桁の暗証番号を入れる (PIN number) → Enter ボタン
- 現金引き出し(Cash Withdrawal) を選択する
- 引き出したい額を選択、または数字を入力
- カードを受け取る
- 現金を受け取る
ATM用語メモ
- PIN Number – 4桁の暗証番号
- Cash withdrawal – 現金引き出し
- Balance – 残高
- Screen Balance – 画面上での残高照会
- Receipt – レシート
5. VAT(付加価値税)について

VAT(ヴィ・エイ・ティー)とは「Value Added Tax」の略で、直訳すると「付加価値税」となります。聞き慣れない言葉かもしれませんが、日本の「消費税」と同じような位置付けで考えてしまって大丈夫です。
早速ですが、イギリスのVATの税率はと言うと….
20%(スタンダードレート)
となります。
こんな高い税率だと、イギリス滞在中は余計に物価が高いと感じるかもしれませんね。
買い物の際やレストランのメニューに表示されている価格には、すでにVATが含まれていることが殆どなので別途計算しなくても大丈夫です。また、レシートを見るとVATをいくら払ったのかが分かります。
* 2021年1月1日よりイングランド、ウェールズ、スコットランドでのVAT還付制度は廃止されています。
最後に
イギリスの「お金」に関する情報をまとめてみましたが、この記事がイギリス滞在時のお役立てば幸いです。
渡航前の準備にはお金の他にも様々ありますが、次の関連記事も参考にしてみてください。
素敵なイギリス滞在となりますように!